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本のこと、音楽のこと、楽器のこと・・・

2023年9月に読んだ本

2023-10-02 | Books
9月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2197
ナイス数:64

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)感想
★★★★☆『街とその不確かな壁』を読んで、読み返したくなった。1985年に出た時に読んでいるのだが、まったく覚えていない。はじめて読んでいるのと同じだ。後半はどうなるのだろう。
読了日:09月28日 著者:村上 春樹
ごまかさないクラシック音楽 (新潮選書)ごまかさないクラシック音楽 (新潮選書)感想
★★★★☆クラシック音楽の歴史に沿いながら、作曲家の位置付けとその後に及ぼした影響を言いたい放題語り合う、という内容。クラシックの発展と衰亡を宗教、社会、政治、民族といった歴史との関わりから評価していく。クラシック評論の第一人者のふたりの掛け合いがおもしろい。
読了日:09月23日 著者:岡田 暁生,片山 杜秀
思いがけず利他思いがけず利他感想
★★★★☆昨年『利他』とは何か』を読んだときには、掴みづらい概念だと思ったのだが、本書を読むことで著者の伝えたいことが理解できた。書名の「思いがけず」という言葉が読む前には意味深な言葉と思ったが、「利己」との対比で考えてみることから始まり、「他力」「やってくること」「与格」の考え方、「利他」を受け取るとは、と読んでいくことで、偶然性に依拠するという「利他」は狙って行う、受けるものではなく「思いがけず」発生するものであり、その行為をこの言葉に込めたのだろう。

読了日:09月18日 著者:中島岳志
愛の見切り発車 (新潮文庫)愛の見切り発車 (新潮文庫)感想
★★★★☆文庫になった2000年に購入し、そのまま積読していたが2014年に読み始め、なぜか途中でやめていたのを、再びチャレンジ。内容は1988年から1996年にかけて書かれたもの。30年以上も前になるがいま読んでも面白い。氏を知ったのはポール・オースターの翻訳からだった。
読了日:09月16日 著者:柴田 元幸
言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書 2756)言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書 2756)感想
★★★★☆オノマトペから言葉を学んでいくという推論は、オノマトペをたくさん持つ日本語で考えるとうなづける話だったが、そこから言語の獲得まで展開されるところはスリリングだ。
読了日:09月11日 著者:今井 むつみ,秋田 喜美
それは誠それは誠感想
★★★★☆高校の修学旅行での自由行動で学校に届け出た行動とは別の勝手な行動をしてしまう班。主人公の個人的な気持ちから発せられた行動案が実現してしまう。高校生の鬱屈を融解するように共感が湧き出てくる班のメンバーたちが優しい。
読了日:09月04日 著者:乗代 雄介
男ごころ (新潮文庫)男ごころ (新潮文庫)感想
★★★★☆どの話も安心して氏の語りに耳を傾けていられる。ということは書いている方はさらさら書いているように見せて、この短い話をどうやって読ませようかと、苦労しているのだろうか? いや、氏なら次から次へと話が湧き出てくるのかもしれない。
読了日:09月02日 著者:丸谷 才一

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