goo blog サービス終了のお知らせ 

Blog.たかたか

本のこと、音楽のこと、楽器のこと・・・

2023年9月に読んだ本

2023-10-02 | Books
9月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2197
ナイス数:64

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)感想
★★★★☆『街とその不確かな壁』を読んで、読み返したくなった。1985年に出た時に読んでいるのだが、まったく覚えていない。はじめて読んでいるのと同じだ。後半はどうなるのだろう。
読了日:09月28日 著者:村上 春樹
ごまかさないクラシック音楽 (新潮選書)ごまかさないクラシック音楽 (新潮選書)感想
★★★★☆クラシック音楽の歴史に沿いながら、作曲家の位置付けとその後に及ぼした影響を言いたい放題語り合う、という内容。クラシックの発展と衰亡を宗教、社会、政治、民族といった歴史との関わりから評価していく。クラシック評論の第一人者のふたりの掛け合いがおもしろい。
読了日:09月23日 著者:岡田 暁生,片山 杜秀
思いがけず利他思いがけず利他感想
★★★★☆昨年『利他』とは何か』を読んだときには、掴みづらい概念だと思ったのだが、本書を読むことで著者の伝えたいことが理解できた。書名の「思いがけず」という言葉が読む前には意味深な言葉と思ったが、「利己」との対比で考えてみることから始まり、「他力」「やってくること」「与格」の考え方、「利他」を受け取るとは、と読んでいくことで、偶然性に依拠するという「利他」は狙って行う、受けるものではなく「思いがけず」発生するものであり、その行為をこの言葉に込めたのだろう。

読了日:09月18日 著者:中島岳志
愛の見切り発車 (新潮文庫)愛の見切り発車 (新潮文庫)感想
★★★★☆文庫になった2000年に購入し、そのまま積読していたが2014年に読み始め、なぜか途中でやめていたのを、再びチャレンジ。内容は1988年から1996年にかけて書かれたもの。30年以上も前になるがいま読んでも面白い。氏を知ったのはポール・オースターの翻訳からだった。
読了日:09月16日 著者:柴田 元幸
言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書 2756)言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書 2756)感想
★★★★☆オノマトペから言葉を学んでいくという推論は、オノマトペをたくさん持つ日本語で考えるとうなづける話だったが、そこから言語の獲得まで展開されるところはスリリングだ。
読了日:09月11日 著者:今井 むつみ,秋田 喜美
それは誠それは誠感想
★★★★☆高校の修学旅行での自由行動で学校に届け出た行動とは別の勝手な行動をしてしまう班。主人公の個人的な気持ちから発せられた行動案が実現してしまう。高校生の鬱屈を融解するように共感が湧き出てくる班のメンバーたちが優しい。
読了日:09月04日 著者:乗代 雄介
男ごころ (新潮文庫)男ごころ (新潮文庫)感想
★★★★☆どの話も安心して氏の語りに耳を傾けていられる。ということは書いている方はさらさら書いているように見せて、この短い話をどうやって読ませようかと、苦労しているのだろうか? いや、氏なら次から次へと話が湧き出てくるのかもしれない。
読了日:09月02日 著者:丸谷 才一

読書メーター
コメント

2023年9月に読んだ本

2023-09-01 | Books
8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3622
ナイス数:62

ミステリマガジン 2023年 09 月号 [雑誌]ミステリマガジン 2023年 09 月号 [雑誌]感想
★★★★☆原尞の追悼特集。遺稿となった「それからの昨日」の3章が掲載されている。コロナの影響により筆が進まなくなったというが、本人も残念だったろう。
読了日:08月31日 著者:
私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★★☆再読。原尞の小説を初めて読んだのが、文庫で出た時に読んだこの作品だった。27年も前になることをいまさらながら驚いている。それからは熱心な読者ではなかったが、いまになってすべての作品を読み終えてみると、あらためてこの沢崎の物語の凄さを感じることができた。
読了日:08月30日 著者:原 りょう
それまでの明日 (ハヤカワ文庫JA)それまでの明日 (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★★☆再読。金融機関の強盗未遂事件は大したことのない事件で終わるが、物語は沢崎にかかわった人物たちの人間関係の追求に移っていく。これまでの作品とは違った新しい沢崎の物語の始まりを思わせる。しかしこれが最後の話になるとは。
読了日:08月26日 著者:原りょう
夜明け前(が一番暗い)夜明け前(が一番暗い)感想
★★★★☆自分も教育機関に勤めているので、「成熟しない日本の教育」は頷きながら読んでいた。「農場から工場に変わった学校」は、まさしくその通りだ。
読了日:08月22日 著者:内田 樹
世界は五反田から始まった (ゲンロン叢書)世界は五反田から始まった (ゲンロン叢書)感想
★★★★☆著者の生まれ育った五反田が世界とどのようなつながりがあるのかと思い読んでいくと、実家の町工場が戦時には軍事産業の一翼を担っていたことが分かるが、それはこの地区に限らずどの町工場も組み込まれていたといえる。祖父の手記を読み解くことにより、著者の家族史と第二次大戦時の「大五反田」の歴史を見直すことができた。
読了日:08月20日 著者:星野 博美
永遠と横道世之介 下永遠と横道世之介 下感想
★★★★☆横道世之介もついに完結。まだまだ続きを読みたいのだが、それもかなわず。書名に「永遠」とあるように世之介もこれまで登場してきた人たちも、いつまでも心に残る話でした。
読了日:08月13日 著者:吉田 修一
永遠と横道世之介 上永遠と横道世之介 上感想
★★★★☆世之介39歳の1年。相変わらず周りを巻き込みながら過ごしている。後編もこの調子?
読了日:08月12日 著者:吉田 修一
天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫JA)天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★★☆原尞が短編を書いていたのを今回初めて知る。長編のしっかり構築された物語とはひと味違ったこの短編は、意外ながら読ませる。もっとたくさん短編を書いてくれていたらよかったのに。残念。
読了日:08月11日 著者:原 りょう
愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)感想
★★★★☆沢崎シリーズ4作目。銀行強盗の犯人として自首した元暴力団員の娘からの依頼で物語が始まる。一度に二つの事件が発生していたという設定がどう解決に向かうのか、そして愚か者とは誰のことなのか。この事件の意外な真相に驚かされる。
読了日:08月07日 著者:原 りょう
さらば長き眠り (ハヤカワ文庫JA)さらば長き眠り (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★★☆11年前の高校野球の八百長疑惑に端を発する今回の事件は、姉の自殺の真相を追ううちに思わぬ展開を見せる。能の家元の登場がどのように関わりがあるのかと思っていたが、全ての者たちに悲しい巻き切れが待っていた。
読了日:08月05日 著者:原 りょう

読書メーター
コメント

2023年7月に読んだ本

2023-08-01 | Books
7月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1879
ナイス数:33

言葉の展望台言葉の展望台感想
★★★★☆書名から言語学に関するエッセイかと思っていたら、著者は言葉とコミュニケーションに関する哲学的な研究をしているという。会話をするという行為が相手に自分の意図する内容を伝えているのか、相手は自分の意図を理解したのか。相手は意図して誤解をしているのか、意図して誤解させるような発言をしているのか。普段は気にしないような会話から、突然話していることがわからなくなる瞬間というのは確かにある。
読了日:07月31日 著者:三木 那由他
音楽家の世界: クラシックへの招待 (河出文庫 よ 11-12)音楽家の世界: クラシックへの招待 (河出文庫 よ 11-12)感想
★★★★☆元は1950年に出版されたもので、1953年に文庫化、1975年に全集に掲載されている。いま読んでも古びていないのは、クラシックを取り上げていることもあるのだが、著者の音楽家や曲に対する評価の基準が読者にわかりやすく伝えられているからなのだろう。
読了日:07月29日 著者:吉田 秀和
そして夜は甦る (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)そして夜は甦る (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
★★★★☆今更ながらデビュー作を読む。さすがに時代を感じさせる内容もあったが、いっきに読み終えた。

読了日:07月26日 著者:原 〓
本屋で待つ本屋で待つ感想
★★★★☆いまの時代に書店を続けている、続けられている、それも人口の少ない地域で。というとその秘訣を、となりがちだが、ここには違った時間が流れていた。本屋で「待つ」ということの意味。
読了日:07月18日 著者:佐藤友則
更に、古くて素敵なクラシック・レコードたち更に、古くて素敵なクラシック・レコードたち感想
★★★★☆氏が持つクラシック・レコードを紹介してくれるエッセイだが、聴いたことがある曲は20%あるだろうか。CDで持っているアルバムは3枚だけあった。前作から引き続き何とたくさんのクラシックをレコードで聴いてきたのかを思うと圧倒されるが、肩の力を抜いて、これいいよと教えてくれる先輩が隣にいるようだ。
読了日:07月16日 著者:村上 春樹
火蛾 (講談社ノベルス)火蛾 (講談社ノベルス)感想
★★★★☆新聞で再評価されているとの記事を読み、図書館で借りて読んでみた。12世紀イスラム教を舞台としたミステリ。語り手である修行者の結末に至るまでの行動の追体験が、イスラムの神秘主義というものを知るきっかけになるだろう。
読了日:07月12日 著者:古泉 迦十
『おくのほそ道』謎解きの旅 ――身体感覚で「芭蕉」を読みなおす (ちくま文庫 や-40-3)『おくのほそ道』謎解きの旅 ――身体感覚で「芭蕉」を読みなおす (ちくま文庫 や-40-3)感想
★★★★☆奥の細道はいくつかの俳句は学校で習ったことがある、という程度の知識だったが、そこには古典に裏打ちされた教養があるとさらに理解が深まるという。言われてみればそのとおりだと分かるが、有名な俳句だけつまみ食い的に覚えているだけで、クイズ番組的な知識を増やしがちな考え方には気をつけなければいけないな。
読了日:07月06日 著者:安田 登

読書メーター
コメント

2023年6月に読んだ本

2023-07-03 | Books
6月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2057
ナイス数:25

ラーメンカレーラーメンカレー感想
★★★☆☆面白くもあり、面白くもないという不思議な小説だった。
読了日:06月29日 著者:滝口 悠生
上海灯蛾上海灯蛾感想
★★★★☆著者はSFの小説家だと思っていたが、歴史を舞台とする小説を書いているとは知らなかった。1930年代の上海を舞台に阿片を巡る日本人と中国人の暗躍に、貧しいからこそ飛び込んでゆく者たちの悲しい結末を描く。
読了日:06月24日 著者:上田 早夕里
目的への抵抗 (新潮新書)目的への抵抗 (新潮新書)感想
★★★★☆目的を遂行する、うまく成し遂げることの無意識の肯定感に疑義を申し立てる。という思いもしなかったところから出発するこの講義は刺激的だ。自分の中にある常識や思い込み、それはそう仕向けられたものなのかを問い直すきっかけになる。
読了日:06月17日 著者:國分 功一郎
あなたの牛を追いなさいあなたの牛を追いなさい感想
★★★★☆タイトルの意味がわかからなかったが、内容を読んで納得した。著者のあとがきに、「禅の修行を深めていく道筋を表した絵解き図が「十牛図」です。」とあるように、字が読めなくとも修行をする上で自身がどの位置にあるのかを確認できるもであるが、その絵が単純なだけに深掘りできる奥行きがある。
読了日:06月14日 著者:枡野 俊明,松重 豊
星になるには早すぎる星になるには早すぎる感想
★★★★☆仕事で知り合った方が小説家になったのは知っていましたが、ペンネームが分からずいままで何も読まないままでいました。この本で著者の小説をやっと読むことができました。いいじゃないですか。
読了日:06月10日 著者:永田 俊也
音楽のような本がつくりたい: 編集者は何に耳をすましているのか音楽のような本がつくりたい: 編集者は何に耳をすましているのか感想
★★★★☆音楽関係の書籍を多く出しているアルテスパブリッシングの代表のエッセイ。いままでとはひと味違う本が多いと思っていたが、マーケティングにとらわれない、著者が書きたい、編集者が出したい本を出すという姿勢を知り、納得した。
読了日:06月08日 著者:木村 元
ジュリアン・バトラーの真実の生涯ジュリアン・バトラーの真実の生涯感想
★★★★☆これは「フォレスト・ガンプ」みたいな本だな、と思いながら読んでいくと、まさしくその通りだった。しかしそれを小説でやるためには相当な妄想力が必要だろうなぁ。
読了日:06月05日 著者:川本直

読書メーター
コメント

2023年4月に読んだ本

2023-05-08 | Books
4月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2148
ナイス数:51

鯨オーケストラ鯨オーケストラ感想
★★★★☆『流星シネマ』『屋根裏のチェリー』から続く人たちが新たな出会いで、また物語が始まった。鯨とクラリネットとアキヤマ君。そして新しいセッションが始まる。
読了日:04月28日 著者:吉田 篤弘
街とその不確かな壁街とその不確かな壁感想
★★★★☆村上春樹の小説の要素がたくさん含まれている集大成の小説という思いをもって読み終える。追い求めるものが不確かであるが故に踏み込んでいく。その先の世界を見つけるために。
読了日:04月27日 著者:村上 春樹
生きづらさについて考える (毎日文庫)生きづらさについて考える (毎日文庫)感想
★★★★☆久しぶりの内田本。2017~2018年頃に書かれた文章がメインだが、いま読んでも納得・同感できるものがある。著者の言うリーダビリティのある文章は読者にとっても価値のある文章と言える。
読了日:04月13日 著者:内田 樹
ラブカは静かに弓を持つラブカは静かに弓を持つ感想
★★★★☆スパイの話という紹介を見て、チェロとの組み合わせは何だろうか?思いながら読み始める。著作権連盟が音楽教室に関係者を生徒として潜り込ませた事件をモチーフにしている物語だった。このニュースを知った時にはスパイとなった人のことに思いを寄せることがなかったことを、いまさらながら感じる。
読了日:04月11日 著者:安壇 美緒
べつに怒ってない (単行本)べつに怒ってない (単行本)感想
★★★★☆「はじめに」にあるように「書いている時、とにかくそう思っていた」という内容そのものだ。しかし思ったことを実際に書きとめて、連載の記事にすることは難しい。

読了日:04月06日 著者:武田 砂鉄
僕は珈琲僕は珈琲感想
★★★★☆書名を入力する時に『僕の珈琲』と間違えた。『僕は珈琲』だ。この言い回しについての文章もある。片岡さんのエッセイには独特の言葉の使い方があって、そこへの引っ掛かり具合が心地よい、という不思議な味がある。
読了日:04月01日 著者:片岡 義男

読書メーター
コメント

2023年3月に読んだ本

2023-04-03 | Books
3月の読書メーター読んだ本の数:5読んだページ数:1717ナイス数:29ヴェネツィア便りヴェネツィア便り感想★★★★☆書名で図書館から借りてきた本。短編集だった。『空飛ぶ馬』や『中野のお父さん』といった作品を読んでいた者には、最後の一行、一文の切れ味は新しい発見だ。読了日:03月30日 著者:北村 薫
鏡影劇場鏡影劇場感想★★★☆☆ドイツの作家ホフマンの報告書をめぐるミステリ。過去と現代、ドイツと日本を行き来しながら解明に向かうかと思ったが、結末は迷宮に入ってしまった。読了日:03月21日 著者:逢坂 剛
ノラや (中公文庫)ノラや (中公文庫)感想★★★★☆まさかいなくなった猫をあれほどまで探して、嘆き悲しむ内容の本だとは思わなかった。読了日:03月10日 著者:内田 百けん
水 本の小説水 本の小説感想★★★★☆サブタイトルから小説かと思ったらエッセイでした。著者の経験する偶然に満ちた本や作家のつながりを連載時の編集担当者を相棒に語っています。大人のエッセイですね。読了日:03月09日 著者:北村 薫
聞く技術 聞いてもらう技術 (ちくま新書 1686)聞く技術 聞いてもらう技術 (ちくま新書 1686)感想★★★★☆対立する意見が目立ついまの社会はお互いが自分の主張を述べるだけであり、本当に相手の話す内容を聞いているのか。それは諍いの場面だけでなく困っている人、困っている自分に向けても「聞くこと」「聞いてもらうこと」によって助かる・助けることができるという。聞いてもらうという行為はできていないかもしれない。読了日:03月01日 著者:東畑 開人
読書メーター
コメント

2023年2月に読んだ本

2023-03-01 | Books
2月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1184
ナイス数:47

イタリア紀行(下) (光文社古典新訳文庫)イタリア紀行(下) (光文社古典新訳文庫)感想
★★★★☆下巻はイタリアでの体験をリアルタイムで伝える「通信」と後から冷静に考察する「報告」の二段構えとなっている。なんだか読んでいてサバティカルイヤーで自身の研究を現地で没頭している大学教員と同じじゃないかと思ってしまった。
読了日:02月25日 著者:ゲーテ
鉄道小説鉄道小説感想
★★★★☆「鉄道開業150年 交通新聞社 鉄道開業文芸プロジェクト」の一環として制作した短編集です、とある。5人の作家のうち乗代雄介と温又柔しか知らなかった。掲載の順番から次第に電車にかかわる舞台設定が濃くなるのが面白い。
読了日:02月13日 著者:温 又柔,澤村 伊智,滝口 悠生,能町 みね子,乗代 雄介
手の倫理 (講談社選書メチエ)手の倫理 (講談社選書メチエ)感想
★★★★☆「さわる」「ふれる」という言葉は英語ではどちらも「touch」だという。日本語の語感でのこの二語の違いを動作としてちらえることの違いを考えてみる。そこには対象をどのように扱うのか、行為者・非行為者とのコミュニケーションの深化はあるのか。触覚に関わる考察と実践を通した貴重な書籍だ。
読了日:02月09日 著者:伊藤 亜紗
言語学バーリ・トゥード: Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか言語学バーリ・トゥード: Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか感想
★★★★☆図書館で半年以上待って借りてきた。言語学についてのエッセイかと思いきや、脱線の連続。東京大学出版会から出ているのは「UP」の連載だったからか。それにしても編集者のT嬢が凄腕だと思ってしまう。
読了日:02月04日 著者:川添 愛

読書メーター
コメント

2023年1月に読んだ本

2023-02-01 | Books
1月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:2117
ナイス数:28

栞と噓の季節栞と噓の季節感想
★★★★☆『本と鍵の季節』の続編。自分には『黒牢城』のようなミステリより、こちらの方が好みだ。『氷菓』から入ったからかもしれない。しかし物語は一筋縄ではいかないのが米澤氏の得意技だ。伏線がたくさん張り巡らされているが、それを抜きにしても面白く読める。
読了日:01月31日 著者:米澤 穂信
書楼弔堂 待宵書楼弔堂 待宵感想
★★★★☆求めている書物を客の意識を超えた内奥に踏み込んで提供する弔堂。今回は甘酒屋の弥蔵と利吉のコンビの掛け合いと客となる人物それに弔堂の主が秀逸。最後に弥蔵に売る本はなに?
読了日:01月28日 著者:京極 夏彦
イタリア紀行(上) (光文社古典新訳文庫)イタリア紀行(上) (光文社古典新訳文庫)感想
★★★★☆
どうしても行きたいと願っていたイタリアへの旅の記録。ゲーテの観察眼と記憶力により、読む者の想像力を刺激する。
読了日:01月21日 著者:ゲーテ
之を楽しむ者に如かず之を楽しむ者に如かず感想
★★★★☆2009年に出版された時に購入したが、そのまま読まずじまいだった。丸谷才一が名文家のひとりにあげ、「思ひ出すことの達人」と称した吉田秀和氏の文章は、いま聞いた曲について自身の記憶も交えながら紹介してくれる。すると実際に聴いていないのに、聴いた後に浮かんでくる余韻を感じてしまう。書名の「之を楽しむ者に如かず」とは音楽の本にふさわしい言葉だ。
読了日:01月01日 著者:吉田 秀和

読書メーター
コメント

2022年12月に読んだ本

2023-01-10 | Books
12月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1173
ナイス数:19

快楽としての読書 日本篇 (ちくま文庫)快楽としての読書 日本篇 (ちくま文庫)感想
★★★★☆書評集。この書評を読んで読みたくなる本がいくつも出てきた。書かれたのが古いので書店では入手しにくい本が多そうだが、図書館で探してみよう。
読了日:12月20日 著者:丸谷 才一
古代オリエント全史-エジプト、メソポタミアからペルシアまで4000年の興亡 (中公新書 2727)古代オリエント全史-エジプト、メソポタミアからペルシアまで4000年の興亡 (中公新書 2727)感想
★ ★★★☆古代オリエントの歴史4000年を一気読み。大きな流れは分かった。次は気になる時代や国を個別に調べてみることだ。
読了日:12月19日 著者:小林 登志子
人生を考える人生を考える感想
★★★★☆丸谷才一の書評で紹介されていたので読んでみた。東洋宗教研究の大先生が「〈在る〉について」「自己について」といった質問を出版社の社長から投げかけられ、それについてお話を伺う、そこに一緒にお邪魔させていただいた感じ。
読了日:12月11日 著者:中村 元
猫を棄てる 父親について語るとき (文春文庫 む 5-16)猫を棄てる 父親について語るとき (文春文庫 む 5-16)感想
★★★★☆軋轢のあった父親との関係を、自身の子供時代の記憶と父親の過去を辿っていくことで、過去の記憶や記録という「歴史」が物語として現在につながる。
読了日:12月03日 著者:村上 春樹

読書メーター
コメント

2022年11月に読んだ本

2022-12-01 | Books
11月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1775
ナイス数:20

歴史のダイヤグラム 鉄道に見る日本近現代史 (朝日新書)歴史のダイヤグラム 鉄道に見る日本近現代史 (朝日新書)感想
★★★★☆朝日新聞の連載時は毎週読んでいました。鉄道愛と蘊蓄のバランスが良いですね。
読了日:11月30日 著者:原武史
サルデーニャの蜜蜂サルデーニャの蜜蜂感想
★★★★☆今回のエッセイは書かれている人たちのもつ翳りが強調されていると感じた。
読了日:11月23日 著者:内田 洋子
とにかく散歩いたしましょう (文春文庫)とにかく散歩いたしましょう (文春文庫)感想
★★★★☆先に読んだ『文にあたる』でこの本がふれられていたので読んでみました。校閲の仕事、校閲者に対する感謝の気持ちを小川さんらしく書いていました。なにが小川洋子らしさかということは難しいのですが、書かれている小説と通じる視点がエッセイでも表れていると感じます。
読了日:11月16日 著者:小川 洋子
文にあたる文にあたる感想
★★★★☆社会人となっての最初の仕事が広報誌の編集で、校正の仕方を教わった。しかし専門家集団ではなかったので、著者原稿との付け合わせで精一杯だった覚えがある。校正・校閲の専門家が誇りを持ちながらも、絶対ということがない仕事への思いが正直に語られている。
読了日:11月13日 著者:牟田 都子
双六で東海道 (文春文庫)双六で東海道 (文春文庫)感想
★★★★☆図書館で借りた本を読む合間に少しずつ読んでいました。肩肘の貼らない、それでいて蘊蓄のある、奥行きの深いエッセイです。ひとつひとつは長いのですが、思わぬ方向に話が飛んだりしながらも、しっかりと着地する鮮やかさがあります。
読了日:11月06日 著者:丸谷 才一
天使突抜 おぼえ帖天使突抜 おぼえ帖感想
★★★★☆「木琴デイズ」に続いて読んだ通崎さんの著書。生まれ育った京都の天使突抜という町にまつわるエッセイ。著者の成長と一家の歴史、関わった人々の話は初めて知るもの、懐かしく思えるもの、笑ってしまうもの、涙が出てしまうものが。
読了日:11月02日 著者:通崎 睦美

読書メーター
コメント