梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

すみませんでした

2007年01月26日 | 芝居
皆様からのご質問に、昨日の更新でお答えしたかったのですが、昨晩は本年度の勉強会にむけての話し合いが午後10時過ぎまでかかり、そのご先輩と夕食、ここでもプチ会議の様相となりまして、帰宅が遅くなってしまいました。
質問へのお返事は、本日中に、昨25日の日付で追記することし、今日の日記も更新することにいたします。
あしからずご了承下さいませ。

…というわけで、これからあとの文章は、千穐楽の撤収作業を終えて帰宅してから書いております。

心なしか、いつもより長く感じた「寿 初春大歌舞伎」も、無事に勤めおおせることができました。ビールで乾杯、ホッと一息ついたばかりです。
今月は後見をふたつも勉強させて頂きましたが、何もしないで何かする難しさをつくづく思いました。とくに『勧進帳』は演目の重み、する仕事の数、舞台にいる時間…。私がこれまで経験してきたなかでは緊張度トップクラス(『土蜘』頼光の後見もしんどかったですが)ですので、それをどれだけ克服できるか、挑戦のひと月でもありました。

25回の公演を終えて、とりあえず「これだけは前回と変わった!」とハッキリ言えるのは、汗をかかなくなったこと。6年前はじめてさせて頂いたときは、何をやるにも焦ったりまごついたりで、襦袢に沁み込むくらいの汗をうかべてしまいましたが、今月はついに1滴もかかなっかたんです。たんに冬の舞台だからというわけでなく、なにがあっても冷静でいよう、粗相をせぬよう落ち着いていようと、自分で自分に言い聞かせてきたこともあるのですが、師匠の衣裳の着付けも、数だけはこなしてきたおかげで手慣れてきましたので、幕が開くまでの段階で、ある程度の余裕をもって取り組めたことも大きいと思います。
とはいえ課題はまだまだです。今、意識しながら行っていることを、無意識でできるようになるまでは、油断なく、自分に厳しくやってゆかなければ…。もっともっと後見を勉強してゆきたい! 陰から舞台を支えられるようになりたい! 2007年の、というより、一生の目標が、ようやく見つかったように思います。

お陰様で風邪もひかずに新年の公演を終えることができました。来月はさらに寒さも本格的になるでしょうから、演目も『忠臣蔵』でございますし、さらに気を引き締めて頑張ってまいります。
とりあえず、明日は休み! 沙翁劇を拝見に彩の国まで馳せ参じます。


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1 コメント

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おめでとうございます (SwingingFujisan)
2007-01-27 09:25:09
千穐楽、おめでとうございます。そしてお疲れ様でございました。一度も汗をかかなかったというのは、素晴らしいことですね。ご自分の中でその成長を認識できたということは、梅之さんがまた一段と大きくなられたということではないでしょうか。
汗の話ついでに、一つ質問(また、お答えのご面倒をおかけしてすみませんが)。役者さんはよく大汗かいて演じていらっしゃいますが、汗をかいた後の衣裳はどうするのですか? 替えの衣裳はあるのでしょうか、それともそのまま1カ月着続けるのでしょうか?
彩の国、今日ですか。私は30日に行きます(同じ日でなくて、勝手ながら残念)。ブログでの感想、楽しみにしております。
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