梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

菊見月稽古場便り 二

2006年08月30日 | 芝居
本日は『六歌仙容彩』の<総ざらい>と『籠釣瓶』の<附立て>。それに先立ちまして<顔寄せ>も執り行われましたが、いやはや凄い人数でした。

『六歌仙』の「業平・小町」は十五分もないようような、ごく短いものですが、ゆったりとした長唄を地に、典雅に、品よく繰り広げられる、絵巻物の一場面のような舞踊です。
とはいえ師匠が演じます在原業平役の後見には、いろいろ細かい仕事がございまして油断できません。小道具である弓の受け渡し、太刀の着脱、箙(えびら。背中にしょって矢を入れるための武具)の取り外し…という具合に、小道具の扱いが多うございまして、これらを目立たないよう、そして迅速に処理するのは大変そうです。段取りはついておりますが、やはり明日の舞台稽古で衣裳を着た上で、そして実際小道具を持った上で(お稽古では扇子で代用しますからね)やってみませんと、感じは掴めないと思っております。先輩に伺いながら、勉強させて頂きます。

一方『籠釣瓶』での新造役は、何度も演じてまいりましたので、手順もすでに体にしみ込んでおります。今回は同じ役で出る人がみな後輩なので、むしろこちらがリードしなくてはなりませんね。これも明後日の舞台稽古で様子を見たいと考えております。

夕方に私が関わる演目のお稽古はおわりましたが、それから先輩のお誘いで、新橋は烏森にございますとんかつ屋『河』へお邪魔しました。お肉の厚みといいジューシーさといい、もう満腹大満足のお店です。これからちょくちょく行こうかな。
…初日が開きましてからは、おそらく夜の上がりが早いので、久々の銀座食べ歩き(開拓を含めて)を楽しむといたしましょうか…。

最新の画像もっと見る