梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

寝覚月稽古場便り・2

2009年08月29日 | 芝居
午前中に楽屋作り、午後2時から<顔寄せ>。今月の一座はけっこうな人数ですが、勉強会明けの身にとっては余計に大勢に思えました。

そのまま『桔梗旗揚』の<附立>に。今回は「饗応」「馬盥」「愛宕山」の3場での上演です。
この前播磨屋(吉右衛門)さんが光秀をなすったのは、平成12年の9月ですが、そのおりも「饗応」の場がついておりまして、私は<勢子>役で出演しておりました。今回も春永をお勤めになる天王寺屋(富十郎)さんの、陣床几を介錯するお役目でしたが、そのおりのことなど思い出しながら、「饗応」のお稽古を拝見させて頂きましたが、この度は前回とは段取り、演出をお変えになっていらっしゃるのが興味深うございました。続く「馬盥」も同様でしたが、初めてこの場に携わる私は“これまで”を体験しておりませんから、とにかく先輩方についてゆくだけでございます。
それにしてもこれは大変なお役! “正座の行”の最難関でございましょう! 一門の大先輩、歌江さんからも「この役は大変だよ~」と同情されてしまいました…。

続いては『河内山』。師匠の松江出雲守は、私が入門してからでも4度目です。
弟子にとっても、「勝手知ったる」といったお役。

最後は『竜馬がゆく』です。「ええじゃないか」の群衆シーンは、三味線や鉦、太鼓と、鳴物を実際に使いながら。
ただ演奏するだけでなく、踊ったり芝居しながらなので、リズムがだんだんずれてくるのが問題といえば問題でしょうか。
演出の齋藤雅文さんからは、「プロフェッショナルの集団ではないわけだから、ずれたり音が外れたりするのが当たり前なので、そのつもりで」とはいわれておりますが、どこまでが許されるのか、気になるところですよね。ご覧頂くお客様にとって、聞き苦しくないようにしませんと…。
三味線を肩にかけての演奏は意外と平気でしたが、さてこれが舞台に場所を移し、衣裳もつけてとなりますと、どうなりますやら…。





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