梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

国立劇場11月公演『国性爺合戦』です

2010年11月01日 | 芝居
秋を通り越して、冬のような肌寒さが続きますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

国立劇場10月公演で『天保遊侠録』に勝驎太郎役で出演いたしました部屋子の梅丸が、国立劇場から奨励賞を頂戴しました。一門といたしまして大変嬉しゅうございます。私は27日の千穐楽の舞台を拝見いたしましたが、親をも論破してしまうような“神童”役を、イヤミな子にもならずに可愛く勤めておりました。兄弟子の梅蔵さんとのやり取りも、一門でこそのイキといいましょうか、ほのぼのとして楽しい一場面でした。

さて、11月の国立劇場は通し狂言『国性爺合戦』。師匠が初役で五常軍甘輝をお勤めになります。
山城屋(坂田藤十郎)さんの錦祥女、成田屋(團十郎)さんの和藤内という顔合わせで、日本と明国を股にかけたスケールの大きな近松作品をたっぷりと御覧頂きますが、この度は発端として、明国が韃靼国に滅ぼされる様を描く「大明御殿」の場を復活いたしますのも、見どころとなっております。
私は、その「大明御殿」に、官女役で出演させて頂きます。中国の女役は初めてです。衣裳の着方や仕草など、常と少し違うところがございますので、先輩方に教わって稽古しております。

異国情緒と華やかな場面、演出で繰り広げる名作、どうぞ大勢様のご来場を賜りますよう、お願い申し上げます。


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