梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

『学習院歌舞伎』を観てきました

2005年08月27日 | 芝居
今日はお稽古は『松王下屋敷』だけ、それと『櫓のお七』の、音響さんとの打ち合わせのみで終わりました。お稽古後に池袋へ直行、豊島公会堂での「平成十七年度学習院歌舞伎公演」『恋飛脚大和往来 封印切の場』を拝見いたしました。
学習院国劇部、いわゆる<歌舞伎研究会>に所属されている学生さんたちの発表会でございます。聞くところによりますと、学習院はいち早く「学生歌舞伎」に取り組んだ大学だそうですね。実は私の周りにも、この学習院国劇部出身の歌舞伎俳優さん、衣裳さん、小道具さんが沢山おりまして、以前からお話はいろいろと伺っておりました。今回私のスケジュールとちょうど合い、はじめてその舞台に接することができた次第です。
演目が『封印切』というのが、意欲的ではございませんか。<型>らしいものを持たない上方歌舞伎、そのなかでわけてもセリフの量が多く、主演者へかかる負担が大きいこのお芝居を、どう演ずるのか、とても楽しみでございました。
出演者数や会場の都合など、諸条件があるのでしょう、台本も若干手を入れて、通常なら二場目となる「塀外の場(松嶋屋さんの演出に拠っているようです)」からはじまり、回り舞台はないのでいったん幕を閉めて次の「井筒屋の場」になる場割でした。忠兵衛、八右衛門が男子学生、槌屋治右衛門、梅川、おえん、仲居四名が女子学生です。皆さん本当に一生懸命演じておられて、翻って私も、この熱意に、真剣さに負けてはおられぬと、腹帯を締めなおした次第。
終演後、再び舞台に総出演者が居並び、御挨拶がありましたが、みなさん感極まった御様子でした。とっても清々しい一時間半でございました。

こちらの『歌舞伎フォーラム公演』の稽古もいよいよ大詰め。初日に向けてだんだんと気持ちが張り詰めてまいります。一期一会の舞台にとりくむのは、私も学生さんも同じです。心地よい緊張感とともに、お役を勤めてまいりたいものです!

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