梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

今日は中日でした

2006年04月13日 | 芝居
四月大歌舞伎も折り返し地点に来ました。これまで、いそがしいながらも無事に勤められました。のこり半分も、この勢いで乗り切りましょう!
今日はちょっと困ったことがありました。ひどい肌荒れ対策に、皮膚炎薬を塗っていることは先日書きましたが、今日は昼の部の『沓手鳥弧城落月』での出番が済んで、化粧を落とした後にも塗っておいたんです。それからしばらくして、次の出番『関八州繋馬』の軍兵の化粧をしようと白粉を塗り出しましたら、全然つかない! どうやら皮膚炎薬が水を弾いてしまったようなんです。どうしようかと思ったのですが、地肌の色が透けるくらいに、ごくごく薄く塗ればよいお役なので、なんとかごまかせたのですが、さあその次の『井伊大老』の侍女への早ごしらえが大変でした。軍兵の化粧をクレンジングオイルで落としてぬぐい去り、これで皮膚炎薬もとれたかなと思ったんですが、やっぱり残っていたんですね。白粉を塗り、スポンジではたいてみても、顔中のいたるところがムラムラで、なんとも情けない有様でした。時間も迫っておりますので、粉白粉をはたいてごまかし(言葉は悪いですが)あとはいつも通り眉や目張り、口紅を書きましたが、つきムラのことが気になってしまい、集中力に欠けた仕上がりになってしまいました。まあ、至近距離でお客様から見られるわけではないので、それほど気にしなくてもいいはずなのですが、やはり舞台に出る以上は、納得のいく顔にしたいです。今日の出来事を教訓に、スキンケアと化粧のコンディションには十分注意したいと思います。

…今夜はこれから、重い腰を上げ三月末日よりおろそかになっていた部屋の片付けを再開しますので、短文にて失礼します。
写真は<奈落>です。

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4 コメント

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女の大敵! (エレガンテかずえ)
2006-04-14 00:02:10
歌舞伎のお化粧って、荒れちゃうんですか。白塗りのせいですか?一日に何度もごしごしするからでしょうか。

女性用の海外コスメ製品(エステ系)でケアすれば一発…という訳にはいかないですか?試したことは?

すみません、愚問で…。
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昔のおしろいは… (かぶきち)
2006-04-14 18:12:24
お疲れ様です。初日夜の部に続いて明日昼の部、歌舞伎座に伺います。楽しみにしています。

昔のおしろいは鉛を使っていたそうで、鉛中毒になる役者さんが多かったと聞きます。当時の役者さんは命がけだったんですね。

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Unknown (くすみ)
2006-04-16 23:22:12
立役と女形の化粧は素材が全く違うのでしょうか?

やはり肌荒れあるのですね。

役者さんたちは、素肌もツルツルしてらしゃるので、あのお化粧は肌によいモノなのかと思っていましたが・・・・・そんな訳ないか。

スキンケアは大変だと思いますが、コンディションも整えて、頑張ってください!



(実は私も顔に皮膚炎薬を塗るので、お化粧してませんが・・・・)
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エレガンテかずえ様、かぶきち様、くすみ様 (梅之)
2006-04-19 22:59:29
化粧道具の中で、立役では普段あまり使わないもので、女形のときに頻繁に使うのが、白粉を塗る前に、下地として塗る<鬢付け油>です(名題下の立役は、あまり白粉を厚くは塗りませんから)。私の場合これが肌に合わないようでして、困っているんです。お白粉自体はそれほど合わなくはありません。確かに大昔の白粉は、鉛の板に酸性の蒸気をあてて化学反応をおこさせて抽出した成分を使用していたようで、これが体内に蓄積することによる<鉛毒>が問題になっていたようです。今の白粉は穀物のでんぷん質や、甲殻類の生物から原料を抽出するようですね。成分的には無害なのでしょうが、やはり肌には悪いんでしょうね。

女性用のコスメは、色々と使用しております。今はドクター・シーラボに頼りっぱなしです。
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