梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

歌舞伎座初春稽古日誌・松

2009年12月27日 | 芝居
26日の晩は、南座の千穐楽を祝って仲間と錦にあるダイニング『恋女房』でささやかな打ち上げ。どの品も味付けが丁寧でしかもお手頃、お酒の種類も抱負、お店の方は親切で優しくてと、申し分のないオススメのこのお店で盛り上がっているうちに午前2時近くでした。
そして午前6時半に起床してホテルの撤収、7時53分の新幹線で東京駅、そこから歌舞伎座へ直行して11時からお稽古。
なんともかんともです…。

さてさっそくはじまりました歌舞伎座さよなら公演『寿 初春大歌舞伎』のお稽古。
2010年の私は、『勧進帳』と『春の寿』の<後見>と、『娘道成寺』の<所化打念坊>、そして『与話情浮名横櫛 見染』の<貝拾いの娘>と、4演目に出演させて頂きます。初春早々頑張りどころです!

本日は、上演演目すべての<附立>でしたが、『娘道成寺』は所化役のみでの<抜き稽古>もございました。私は“花傘踊り”を、先輩の松本錦一さんとペアで踊らせて頂きます。今回は<押戻し>までですので、“祈り”の踊りもございますが、こちらは鐘が落ちているぶん舞台が狭くなるので、私は座って控えております。
歌舞伎座の初春の舞台、中村屋(勘三郎)さんの花子の『娘道成寺』で踊らせて頂ける幸せ! 心して、行儀よく勤める所存でございます。

『勧進帳』の富樫の後見は、先年の巡業で100回を越えましたが、やるたびに緊張することに変わりはありません。作品の重さ、格調を崩さぬよう、どれだけこの演目にふさわしい後見になれるかどうかは、まだまだ遠き道のりなのだと思います。このたびは成田屋(團十郎)さんの弁慶に、中村屋(勘三郎)さんの義経というお顔合わせ。また新しい気持ちで、勉強いたしますが、この度の太刀持ちは加賀屋(松江)さんのご子息、玉太郎坊ちゃんです。モウ可愛らしくって可愛らしくって!

当月のために作られた祝いの一幕『春の寿』。今日はじめて、どのような踊りなのか見ることができました。20分あるかないかですが、賑やかに、華やかに、典雅に…。初めて接する踊りの後見は、振りや曲に馴染みがないぶん、段取りを覚えるのが大変です。

師匠が10数年ぶりに大高源吾をお勤めになる『松浦の太鼓』。もちろん私も入門する前。当時のことは兄弟子の梅蔵さんしか覚えていらっしゃらないので、色々と教わらねば! 

『浮名横櫛 見染』、昨年名古屋御園座で初役で与三郎をお勤めになった高麗屋(染五郎)さんが、いよいよ東京で初の上演でございます。そのおりも貝拾いの娘をさせて頂きましたが、この度も出ることができて嬉しいです。少しでも雰囲気がある木更津っ子になりたいですね。

…気がつけば午後7時過ぎ。たっぷりの稽古と昨日までの疲れが一緒に襲ってまいりました…。


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1 コメント

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脱帽です (ゆうすけ)
2009-12-29 01:29:27
京都南座の顔見世、本当にお疲れさまでした。それにしても、打ち上げの翌日には東銀座でお稽古とは‥。役者さんのタフさに脱帽です。1月の歌舞伎座には中旬ごろ、昼夜とお伺いする予定です。渾身の舞台、今から楽しみにしています。がんばってください。
また、毎日のレポートも楽しませていただいてます。
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