梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

大雨の中の撤収でした

2008年10月27日 | 芝居
国立劇場10月公演『大老』も、無事千穐楽を迎えることができました。
新歌舞伎の通し狂言ということで、舞台も楽屋もいつもとはだいぶ雰囲気が違いまして(なにせ劇中劇の『道成寺』のときしか三味線が演奏されませんし、歌舞伎カブキした扮装、化粧もいたしません。柝もチョンチョンチョン…と“刻む”ことをいたしませんでした)、なんと申せば良いでしょう、どこか<ライト>な感じでした。

ともあれ、上屋敷下屋敷双方に出没した腰元役も、大過なく勤めることができました。とくに5幕目(下屋敷)は、同期(14期)の京三郎さん、16期の春之助さん、17期の京珠さん、18期の京由さんという、ごくごく世代の近い研修生仲間だけで勤めさせて頂き、楽屋もみんな一緒でしたから、いいチームワークができたと思います。
また、老女雲之井役の歌江さんと、再びご一緒できたことも嬉しゅうございました。雲之井役は今度で4回目なのだそうですが、私のような若輩が申すのもおこがましいことながら、自然にお役になりきっていらっしゃるそのお姿には、そばで拝見させて頂いておりまして、本当に敬服させられ、憧れるのでございます。

その歌江さんが、老女琴浦役の中村吉之丞さんとともに<国立劇場特別賞>を受賞なさいました。3月以来、体のお具合もあり舞台を休まれ、ほぼ半年ぶりのご復帰となったこの舞台でのご栄誉、誠におめでたく、心よりお祝い申し上げます!

…休む間もなく11月歌舞伎座顔見世公演のお稽古が始まりますが、こんどは<古典>の世界にどっぷり浸かりたいと思います。

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