梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

神帰月稽古場便り・壱

2007年10月29日 | 芝居
今日から歌舞伎座『吉例顔見世大歌舞伎』のお稽古です。
師匠は昼の部序幕『種蒔三番叟』の<三番叟>と夜の部3幕目『土蜘』の間狂言<番卒次郎>。私は『種蒔三番叟』の<裃後見>を勤めさせて頂きます。素顔の後見でございますから、今月の私は、終日ノーメイクです。

さて、本日は午後4時から<顔寄せ>、引き続いて『土蜘』の<附立て>、『種蒔三番叟』の<附総>でした。
『土蜘』は、ご存知の通り音羽屋(菊五郎)さんの家の芸<新古演劇十種>の内。振り付けは初演以来の花柳流でございます。これまでは花柳壽楽師がご筆頭になってお稽古にお見えでしたが、先年お亡くなりになりましたので、当月は、花柳錦之輔師、花柳典幸師、花柳泰輔師、花柳錦吾師がいらっしゃいました。泰輔師と錦吾師は、私たち14期生が研修中ずっとご指導いただいた<先生>でございます。久しぶりにお目にかかり、少々緊張も混じった懐かしさがございました。

『種蒔三番叟』は藤間の御宗家の振り付けでございます。今日が<附総>ですから、稽古場での稽古は本日1回のみ。緊張いたします。とりわけて大変な仕事こそございませんが、<三番叟もの>にふさわしい格をくずさぬよう、無駄のない綺麗な後見を勤められたらと思っております。

当月は顔見世月ということもあり、出演者の総数は大変なものです。名題下部屋も50名を超しておりますが、実は今月の上演演目は、名題下から出るお役が大変少のうございまして、お役のない者がほとんどなんです。狂言立てによっては、こういうことも時折ございます。

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