梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

神楽月稽古場便り 水

2006年10月30日 | 芝居
お囃子さん、長唄さん、音響スタッフも揃っての<附立て>となり、より本番に近いかたちでの稽古となりました。
やっぱり三味線の音はイイですね! 10月公演が、全く合方がない芝居だったこともあり、<めんない千鳥>の曲が、お囃子とともに聞こえてきた時、なんだか嬉しくなってしまいました。チンチリトチチリ チリトテチン…ゆったりとした節が繰り返されるだけでも、廓の華やかさが表される。すごいことだと思います。仲居や若い者、太鼓持ちを演ずる私たちも、だいぶ感じが掴めてきました。大石内蔵助をはじめ、シンのお役の演技の合間合間に、邪魔にならない範囲で捨て台詞を挟んだり、まわりの人と芝居をするのも、だんだんと自然にできるようになってきました。場面が死なないよう、そしてシンの芝居を殺さぬよう、丁度よいぐあいで抑えるのは難しゅうございますが、さあ本番までどれだけ膨らますことができますでしょうか。

私が出ていない『南部坂雪の別れ』の話なんですが、幕開きに、煤払いの腰元たちが、吉例で「めでためでたの若松様よ~」の唄をうたうんですが、この節回しが、一般的なメロディー(おそらく皆様がご存知のもの)と微妙に違うものだそうで、腰元役の方たちが、「どうしてもいつもの節になってしまう」とおっしゃっておりました。たたでさえ舞台上で唄うのは難しいのに、紛らわしい節まわしとは、さぞかし大変だとお察しいたします。

稽古の合間、自分がかかわらない幕の時間を使って、師匠の楽屋作りも済ませました。稽古終了後は、<稚魚の会友の会 秋のパーティー>の打ち合わせ。役割分担を決めました。今回は私が実行委員なので、いつも以上に頑張らねば。でも、委員自ら落語をしている場合なのかしら…? ちなみに演題は未だ決まらず。初日が無事あくまでは、余計な考え事はしたくないので、全く何も考えておりませんが、公演が始まってから二週間で覚えられるか? 不安といえば不安…。


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2 コメント

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稚魚の会 (usagi)
2006-10-31 19:32:19
パーティーのお知らせ届きました!
11月とはびっくり。そして正に国立劇場観劇予定日であったことに2度びっくり。
元禄忠臣蔵の感動を胸に、そのまま参上いたします!
すっかり毎年の楽しみとなりつつある落語もとっても楽しみです。無理せず、でも覚えて楽しませてくださいね
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usagi様 (梅之)
2006-11-01 20:59:46
元禄忠臣蔵の感動をぶち壊さぬよう気をつけます(笑)。
まだなにも準備してませんが、まずは各寄席を巡って勉強します!
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