梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

<乱歩歌舞伎>体験日記・第九夜

2009年10月05日 | 芝居
いや~、困りました。
何を書いていいかわかりません…。

いつもの歌舞伎興行ですと、お馴染みの演目から色々と話題を取り上げることができるのですが、今回は全くの新作、しかも「秘すれば花」(用法が違うか!)の、口外できない見どころばかりの作品となりましたから…。
稽古レポも終わり、昨日無事に開幕した当月、これから御覧になる方のためにも、ストーリーや演出に関わることはお話しできませんし…!

とりあえず、2日目の感想を述べさせて頂きますね。

昨日の終演後にも、さらにダメだし、演技や段取りの変更がございました。
今朝になって、お達しがあったものもございます。
お客様を前にして、どう芝居が“動く”か。ご見物の反応は、舞台上からも実はよくわかるもので、正直申せば、良い波悪い波を常に感じながら演じているわけでございます。
といって、お客様を受けさせようとかいう、迎合するような方向には絶対持っていってはいけませんが、どうすればより物語が伝わるのかを、公演期間中常に模索することは、ましてこの度のような新作の場合、怠ることができない作業かと存じます。

明智小五郎をお勤めになりながらも、私どもの演技、仕事を御覧下さり、的確なご指導を下さいます高麗屋(幸四郎)さんの熱意を無駄にすることのないよう、心して勤める所存でございます。
常に変わり続ける、といっていいいかもしれない今回の舞台、皆様におかれましても、何度でもご覧頂きたいと存じます!

それから…。
チラシにも謳われている高麗屋(染五郎)さんの宙乗りは、客席上空を斜めに飛んでゆきます!
先年の『貞操花鳥羽恋塚』におきまして、音羽屋(松緑)さんが復活なすった“筋違の宙乗り”を、さらにパワーアップしたものです。(ただ飛んでゆくだけじゃないんだなぁ、これが!)

2階席、3階席が特等席になる素敵な趣向。
これからチケットお求めになる方は、是非この辺りのお席をご注文頂くことをオススメします。
全体的にスペクタクルな演出ですし、立体的な装置だったりしますから、宙乗り以外の場面も上からの角度で充分楽しめますよ(かえって面白いかもしれません)。
どうぞよろしくお願いいたします!!

              ◯

明日からは、ネタバレにならないよう気をつけながら、今回ならではの趣向の一端をご紹介できますよう、準備してまいります。どうぞお楽しみに~。



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1 コメント

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楽しかったです (麻衣子)
2009-10-05 22:28:23
観てきました!楽しかったです。個人的に大子ちゃんがでっかいのにいじらしくて大好き。新作なのにこんな短期間でよくぞここまでしっかりと芝居にしてきたと感心しました。乱歩好きとしてもあちこちに擽りがあって、それを見つける楽しみも。ということでチケット足しました~。梅之さん、頑張ってくださいね。
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