梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

岐阜でした

2010年07月24日 | 芝居
東海道本線で岐阜駅へ。<岐阜市民会館>での2回公演でした。

とにかく暑い劇場でした! 『重の井』で腰元に出ていて「これはやばいぞ」と思ったら案の定、『勧進帳』の後見はさらに…。
毎日猛暑日が続く東海ゆえ、いたしかたないことですね。舞台袖に“氷柱”が立ててあったくらいなのです! なるほど、見た目は涼やか、さわればヒンヤリ、風情もあって良かったのですが…。

涼やかといえば、『近江のお兼』の<布晒し>も、夏にはぴったりの趣向ですね。
『越後獅子』でもお馴染みですが、『六玉川』や『二人晒』、『晒三番叟』という曲もございます。織り上げた布を川水に浸し、天日の下や積もった雪の上に“晒して”発色を良くするための作業を、ひとつの芸にしたものが舞踊や郷土芸能に残る<布晒し>。
細長い白布が舞台上で鮮やかにはためく光景は、演者のご苦労はさておいて、御覧になる方に、いっとき暑さを忘れさせる力があると思います。
持ち手のついた、団扇状の柄の先に布をつけておりますが、長さは演者の使い勝手にもよりますが、歌舞伎の舞台では12尺から14尺くらいでしょうか。長ければ長いほど見た目は派手になりますが、扱うのは大変です。
私が研修を修了して最初の勉強会が『越後獅子』で、同期の立役5人だちという振付けでしたので、最後は舞台中が晒だらけのようになっておりましたのが記憶に残っておりますが、あのときは何尺だったのかしら。

         ◯

…帰りも東海道本線で名古屋へ帰るはずだったのが、信号不備のためで止まってしまい、急遽名鉄線で帰るというハプニングも。
衣裳さんチームと一緒に、錦にあるサンゲタンの専門店『富貴』で暑気払い。チヂミも豚の三段肉も冷麺も、み~んな美味しい大満足のお店。とくに冷麺は、スープをシャーベット状に凍らせてあるのですが、あらかじめ酢が効かせてあるそのお味が実によいのです。もちろんサンゲタンも、さまざまな漢方エキスが入ってまさに薬膳です。
やや食べ過ぎましたが、明日は今回の巡業で一番暑いと予想される春日井ですので、スタミナ補給にはちょうどよし! 最後の名古屋を放談と快食で大いに満喫したのでした。

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