梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

逃げる二月も二分の一に

2010年02月13日 | 芝居
本日<中日>。
1月に引き続き、当月も毎日があっという間に過ぎているように感じております。気がつけば折り返し地点ですが、おかげさまで『ぢいさんばあさん』『籠釣瓶』での自分のお役も、だんだんと体に馴染んで参りました。

…『ぢいさんばあさん』の腰元は、初日近辺などはコメント欄にもお便りを頂きましたように、緊張のせいでまばたきばかりしてしまいましたが、さすがに今はそういうことはなくなっておりますのでご安心くださいませ。腰元という職業(?)は、主人の用事をするのが<当たり前>なわけですから、こんなことをいってはなんですが、お褒め状を渡すことくらいはきっとなんでもないハズなのです。それを演じる私自身が緊張してしまい、しかもモロにあらわれてしてしまったというのが情けないことでして、役になりきりていないということに反省しきりでございます。大和屋(玉三郎)さん演じる<るん>とは、常から一緒に働いていたのだから、ごく自然に、なんでもない日常のお勤めのひとつ(もちろん立ち居振る舞いには行儀、品というものは絶対になくてはなりませんが)としてこなせるようになることを、千龝楽までの課題として、今後も努力して参りますが、努力が努力と見えてはいけないというのも、大きなハードルでございますネ。

このお役が終わりますと、次の出番『籠釣瓶』の化粧を開始するまで1時間45分の空き時間がございます。外出した日もございましたが、最近は寒い日が続いておりますので、うっかり風邪を引いてしまうのもいやですので、楽屋で過ごしております。
化粧用の紅や墨を作ったり、着肉をチクチク縫ったり、仲間としゃべったりしていると、案外すぐに時間が経ちますね。
歌舞伎座解体にあたっての荷物整理もしなくてはいけません。せっかくのフリータイム、有意義に過ごしたいものです!

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2 コメント

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Unknown ()
2010-02-14 09:49:17
先般まばたき云々と書いたのは、初々しいと褒めたつもりでしたが、10日に二度目を拝見したらまばたきなさらなかったので、あれ?と思っていましたら、気になさっていらしたのでしょうか。ごめんなさい。そういうつもりではなかったのですが。
観客からすれば僅かな時間のお仕事で、ともすれば見逃してしまうことでも、これだけ心を入れて精進なさっていらっしゃることに感動します。
いよいよ後半に入りましたね。風邪に気をつけて頑張ってくださいね。
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ようやく (ゆうすけ)
2010-02-15 20:33:05
歌舞伎座昼の部、拝見できました。「ぢいさんばあさん」の腰元、スムーズな流れで素敵だったと思います。歌舞伎には「何気ない」という要素が重要かと思いますが、その意味でも完璧でした。今週末、夜の部に伺います。後半戦、お体ご自愛のうえ、がんばってください。
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