梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之京都日記2の1『無事京都入り』

2007年11月27日 | 芝居
朝7時50分品川発の「のぞみ」で京都へ。芝居人にとっては結構早い時間ですが、12時くらいに始まるであろう『将軍江戸を去る』に先だって、荷ほどきや楽屋作りをすませなくてはなりませんからね。10時半に劇場着、1時間ほどで諸作業完了。

さて師匠4年ぶりとなります『将軍江戸を去る』、言わずと知れた真山青果氏の名作ですが、これまで演出にあたられた真山美保さんは先年鬼籍に入られました。今回はこれまでの演出をもとにしながら、要所要所では主演の方々のお考えも加わるかたちで芝居作りが行われています。
とりわけ最終場「千住大橋」での群衆演技では、見送る人々と見送られる徳川慶喜との関係が大事なポイントです。師匠演じる慶喜の台詞に対する皆の反応が場の空気を支配しますので、師匠も我々にご指示を下さいました。

梅丸も本日南座に初御目見得。こちらの劇場は楽屋の作りが入り組んでいてわかりづらいので、一緒に<南座探検>。舞台への道順、奈落の通り抜け、楽屋の案内…。これで一人でも迷わないね。お稲荷様が祀られている屋上に出られるのが気にいったみたいです。
続いて『寿曽我対面』の<附総>。萬屋(錦之助)さんの襲名ご披露の狂言でございまして、チラシにもうたわれております通り、劇中口上がございます。どの場面でどんな口上になりますかは、ご覧頂くまでのお楽しみといたしましょう。
師匠は芝居に終結をもたらす鬼王新左衛門です。

夕方には私の出番が済み、ひと月の住家となるマンスリーマンションへ。つくりも新しくまずまず。家から送った荷物も届き、梅之の部屋らしくなりました。ネットもつながる物件なんで助かります。前回はエアーエッジで大騒ぎでしたから…。
料理は明日からということにして、まずはゆっくり休むことにいたします。

思ったより寒くはなかった京都の1日目でした。