梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

シャラリシャンシャン

2007年11月11日 | 芝居
『種蒔三番叟』の外題にもございますとおり、<三番叟もの>の諸演目では、必ず見られるのが<種蒔き>の振りです。
<鈴の段>とも申しますように、三番叟が朱の房付きの鈴を振り鳴らしながら舞台の四方をまわります。
その動きが田畑に種を蒔く姿に通じ、五穀豊穣を祈念するお目出度い所作となっております。

<種蒔き>のはじめに、三番叟が舞台中央で鈴を3度上下させながら鳴らしますが、これは1回目に7振り、2回目が5振り、3回目が3振りと、七五三の吉例になっております。
鈴自体も、錦を巻いた柄に鈴が3段に取り付けられているのですが、これも上段が3個、中段が5個、下段が7個。やはり古式吉例です。

この鈴の形そのものが稲穂をかたどっているとも伺ったことがございます。…鈴木姓に<稲穂>の家紋が多いことでもわかりますが、古来より稲と鈴の関連は深かったようですね。