2020年正月。今日は3日。店の正月休みを利用して日帰り行脚。
群馬伊勢崎の老人ホームに叔母を訪ね、その足で信州小諸の叔父の家に行く。さらに足を伸ばして上田の老人ホームの母に会いに行く。皆元気そうで安堵。予定していた工程も完了したので温泉につかって帰ることにした。
上田で工程終了なので、迷わず別所温泉に向かうが、迷ったのはどの風呂に入るかだ。私は上田で高校時代を過ごしたので、真田幸村ゆかりの「石湯」には自転車を漕いでよく入りに行っていた。ほかにも外湯があり地元の人たちに利用される風情のある銭湯だ。今日が正月でなければ迷わず「石湯」に向かうところなのだが、別所温泉のある塩田あたりは、「信州の鎌倉」といわれるほど由緒ある寺社仏閣が多い。別所の「北向観音」も初詣の人でごった返しているだろう。とうぜん小さな外湯は多分イモ洗い状態ではないだろうか。「石湯」の再訪は普通の日に叶えることにして、私の高校生時代にはなかった「あいそめの湯」という、感じとしてはいわゆる一般的な日帰り温泉施設によってみることにした。「上田電鉄」(昔は別所線と言っていた)が台風の被害を受け、観光的にも打撃を受けているだろうというのも理由の一つ。でも結果的にはにぎわっていた。
別所温泉「あいそめの湯」http://www.bessho-spa.jp/
観光バスも止められる大きな駐車場には誘導係に指示されて車を止めるほどにぎわっていた。いわゆる別所温泉の「外湯」とは違い、だれでも気軽に立ち寄れる大型の施設。「外湯」はいまだに入浴料は150円と信じられないほどに安いが、ここは500円。それでも安い。玄関を入り入浴券を券売機で買う。フロント前にはこじんまりとした土産物売り場や休憩場所があるという、普通の日帰り温泉施設だ。貴重品は専用ロッカーに入れて、脱衣場では鍵のない棚と脱衣かごを使うようになっている。
まずは洗い場で頭も体も洗ってひげも剃り、あとはゆっくりお湯につかるのが自分流。カランの数は20くらいだろうか。内湯も露天もそれぞれ10人サイズ。この手の施設としては大型ではなく中型。ほかに一人用の陶器風呂が二つと、サウナはないが岩盤浴がある。私はどうも岩盤浴というのが苦手で使ったことがない。細かいところまで見てきたわけではないが、不潔なところは見当たらなく気持ちよく入浴できました。「外湯」のような風情はないけれど、だれもが立ち寄りやすく、何よりあの別所温泉の気持ちの良い硫黄泉が楽しめるのはいい。別所温泉の湯はコバルトブルーの硫黄泉なのだが、日によっては乳白色に見えるときもある。においも微かな硫黄のにおい。でも強烈すぎないのできっと誰もが気持ちよく入れる。ここの湯もきれいで、温度も私には入り慣れた42度。妙になじむ湯だった。
やっぱり懐かしい「外湯」に入りたくなったが、近くまで車で行ってみたら初詣のお客さんや観光のお客さんでごった返し、混雑嫌いの私には無理。好きな温泉街も歩くことなく帰ってきました。