Chimney角屋のClimbing log

基本的にはクライミングの日記ですが、ハイキング、マウンテンバイク、スキー、スノーボードなども登場するかも・・・。

登り方は教え、攻略方法は考えさせる。

2017-01-30 01:47:11 | フリークライミング

今日はビッグロック スポーツクライミング ジュニアスクール(BSJ)のアウトドアスクールでした。ほとんどの子は岩を登るのが初めてでしたが、私がびっくりするほど上手に登っていました。本物の岩を登るのが初めてなのに、いつもジムで登っているムーブが自然に出てくることに感心しました。大人だとなかなかそうはならないのですが、初めから基本を体に覚えさせているので、自然と身に着けたムーブを使うことができるのでしょう。彼らにとっては「登る」という動きはスクールで身に着けた動きそのものなのでしょう。

だから私はスクールでは登り方を教えます。いちいち足の位置や体の動きを指示します。そのことによって登るためのバランスのとり方やホールドを取りに行くための体の動きを身に着けさせるためです。バランスの取れる位置に良い足の置き場がないときなどは複雑なムーブの出番ですので、レベルに応じて複雑なムーブも教えていきます。そのようにして登るためのいろいろな体の動きを、頭でなく体に覚えさせていくのです。

「クライミングの楽しさは考えることが重要だから、教えてはだめだ」という人は多いのですが、ちょっとスクールで教えるということには当てはまりません。スクールは技術習得の場として考え、教えます。教わって身についたムーブの引き出しを多くして、自分のチャレンジしたいルートで自分で考えながら引き出しを開けていくのです。そういう意味で攻略法は教えません。攻略というのは持っている引き出しを開けることなのですから、引き出しがないのに攻略方法を考えるのは無理です。きちんと引き出しを持たせてあげてから考えさせなければ、ただがむしゃらに岩にしがみつくだけです。それが大人の初心者に多い姿なのだと思います。大人の初心者はそういうムーブの引き出しを持たないままただ登ったり登らされたりすることが多い。積み重ねがない人が多い気がします。きちんと教わって、基本から登り方を体にしみこませ、いくつかの基本的な動きを身につければ、いくつかの引き出しが作れるのです。そのうえで初めて攻略方法が考えられ、引き出しを開けられるのです。

今日、スクールの子供たちは見つけたホールドを触って足の置き場を探し、それに合ったムーブを選択して登っていたように見えました。いろいろなホールドの組み合わせとムーブの選択は複雑なものですが、彼らの思考はそういった複雑な働きをしていたのではないかと思います。