タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

風力発電の不都合な真実~2

2020年09月27日 | 日々雑感
再生エネ23%に急増 太陽光燃料費不要・風力建設進む

朝日新聞9月25日の、一面トップの見出しです。そのまま読むと、化石燃料を使わない再生エネが増えて、万事メデタシ、メデタシとも読めますが、果たしてそれが正しいのでしょうか?

    
                     経済産業省の資料から

日本の電源構造はベースに原子力発電があり、その上に水力発電や火力発電と風力発電などが乗っています。

一日の電気の消費量は深夜や朝は少なく、昼間になって増え、夕方から夜にかけて減少するカーブを描いています。その消費に合わせて発電する必要があります。発電と消費のバランスが崩れると大停電を起こします。

そのような事態を避けるため電力会社は分単位で需給のバランスをとっています。

    

再生エネで一番アテにならないのが風力発電です。まさに「風まかせ」なのです。そのようなものに頼っていたら電力の安定供給は出来ません。電力会社が風力をアテにするのは1%か2%、誤差の範囲だそうです。

風の強い日、風力発電の量が増えたので火力を絞るでしょうか?その風が突然止んだら風力発電は激減、大急ぎで湯を沸かしていたのでは間にあいません。

だから、風の強い日でも湯を沸かし、余った蒸気は外に排出しても、瞬時に対応できるようにしています。

そのため風力発電が出来ても化石燃料の消費は私たちが思うほど減りません。と言う構造になっているそうです。

北海道で大停電が起きたことがあります。

その時、風力発電がバックアップしてくれたでしょうか?答えはノー。

普通の電気がなければ風車の方向も変えられず、とっさの場合風力発電は役に立たないようです。

    

ネットで調べたら2019年末現在日本には2414基の風力発電があり、392.3万kwの発電能力があります。(日本風力発電協会)

福島原発1号機8.5台分の能力です。

その能力は12~25メートルの風が1年中休まず吹いて達成される数字で、実際にはそのようなことはあり得ません。

私たちは全国いたるところで風力発電を見るようになりました。それなら電力会社の化石燃料費は減少しているはずですが、そのようなデータは公開されていませんし、求めても公開してくれないそうです。

産業としては割の合わない事業のように思えますが、事業者としては風車を造るだけで良い仕組みがあるのです。

私たちの家庭に毎月届く電力会社からの請求書、そこに再エネ発電賦課金として10パーセントくらいが請求されています。

その賦課金の使途にも関心を持つべきだと思います。

風力発電をめぐってはもう一つ大きな問題があります。

    

欧米では風力発電は止める方向にあるので、規制のゆるい日本が外国の会社にねらわれている現実があるようです。

和歌山県有田川町に広島と同程度の、4500kwの風車72基、最大32,400kwの風力発電をしようという計画があります。

事業者は実体のない外資、いくら何でもそれは許されないでしょう、と言うような計画です。

事業者は作ってしまえば終わり、負の遺産はすべて地元が受け持つと言うのは健全なことではありません。

この状況には国も懸念しています。日本人として皆が考えないといけない問題だと思います。

クリーンエネルギーと言う甘い言葉に酔っていたら、その奥にとんでもない「狼」が居た。

そのことを思い知らされ、自分の不明を恥じた講演会でした。