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狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

歴史を変えた一冊 「ある神話の背景」

2006-08-29 19:27:33 | ★集団自決
沖縄戦における日本軍の残虐さを「鉄の暴風」で叩き込まれた若き日々。 
 
そして、沖縄戦を描いた著名人の著作が少なかった当時、大江健三郎の「沖縄ノート」は衝撃だった。
 
偶然本屋で出会った曽野綾子著「ある神話の背景」や「生贄の島」は更に衝撃的だった。
 
軍と行動をともにした新聞記者がその真相を克明に記録した沖縄戦記の古典的名著とされる「鉄の暴風」に対して、物語の創造が本業の作家が著した「ある神話の背景」。 ある種の予断を持ちながらも貪り読んだ。
 
だが予断は木っ端微塵に打ち砕かれた。
 
目からウロコが落ちるとはこのことかと思った。
 
≪当時私はまだ30代で若く体力があったことと、作家になって15年以上が経過していたので、いくらか自分で調査の費用を出せるという経済的余裕があったことが、この調査を可能にしました。」≫
 
このような曽野さんの実証的ドキュメンタリー記述に圧倒され、そして感動した。
 
現地調査の中で「鉄の暴風」が伝聞を元に書かれていたことが結果的に暴かれる事になった。
 
それから曽野さんの長い戦いが始まった。
 
私はただ足で歩いて一つ一つ疑念を調べ上げていっただけです。本土では赤松隊員に個別に会いました。≫
 
≪グループで会うと口裏を合わせるでしょうが、個別なら逆に当時の赤松氏を非難する発言が出やすいだろうと思ってそのようにしました。≫
 
≪渡嘉敷島にも何度も足を運び、島民の人たちに多数会いました。大江氏は全く実地の調査をしていないことは、その時知りました。≫
 
鉄実地調査もせず伝聞で書かれた「鉄の暴風」。
 
それを鵜呑みにした大江健三郎氏は「残忍な日本兵」と言う予断で赤松大尉を断罪し「沖縄ノート」を著した。
≪『沖縄県人の命を平然と犠牲にした鬼のような人物』は第一資料から発生した風評を固定し、憎悪を増幅させ、自分は平和主義者だが、世間にはこのような罪人がいる、という形で、断罪したのです。≫

≪当時、沖縄側の資料には裏付けがない、と書くだけで、私もまた沖縄にある二つの地方紙から激しいバッシングに会いました。≫

沖縄戦史最大の謎に光を当てた名著「ある神話の背景」がタイトルを変えて復刻した!
 
                   ◇
  



 沖縄戦集団自決の真相に迫った作家、曽野綾子さんの『ある神話の背景』が復刻され、二十二日、WAC文庫から『沖縄戦・渡嘉敷島 集団自決の真実』というタイトルで発売される。

 『ある神話の背景』は曽野さんが昭和四十年代半ば、沖縄県渡嘉敷島の集団自決について現地で取材した結果をまとめたノンフィクション。

 それまでは、沖縄タイムス社の沖縄戦記『鉄の暴風』などにより、集団自決は旧日本軍が命令したとされてきたが、曽野さんはこの“旧軍命令”説に初めて疑問を投げかけた。

 『ある神話の背景』は四十八年、文芸春秋から単行本が出版され、その後、PHP研究所で文庫本化されたが、いずれも絶版となり、入手が難しくなっていた。

 沖縄戦集団自決をめぐる“旧軍命令”説は現在も、大江健三郎氏の『沖縄ノート』(岩波新書)や歴史教科書などで独り歩きしている。

 昨夏、同島守備隊長の遺族らが大江氏らを相手取り、名誉回復を求める訴訟を大阪地裁に起こしている。


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沖縄に住む事は「情報異空間」に住む事

2006-08-29 11:28:51 | ★集団自決

まるで別世界の出来事のようだ。

沖縄県に住むことは「情報異空間」に住むことなのか。

一昨日産経新聞が沖縄渡嘉敷島の「集団自決」に関する重要証言報道があったのがまるでウソだったかのような今朝の沖縄メディアの沈黙振り。

証言報道の翌日は沖縄では琉球新報、沖縄タイムス二紙揃って休刊日だったので、昨日の夕刊がそれぞれスルーしたことは良しとしよう。

だが一日間をおいた今朝の朝刊でも一行も報じないとは。

日頃、やれ言論の自由だ、やれ知る権利、知らせる権利だと声高に叫ぶ姿はどこに消えたのか。

自分の主義主張にそぐわない報道は封殺するのが報道の自由なのか。

ことは沖縄戦史の謎の部分に関わる重要人物(当時の琉球政府担当職員)の生々しい証言である。

自分に都合が悪い情報だからといって、沖縄県民を「情報異空間」に追い込む権利は無かろう。

他の地元メディアはともかく、杜撰な伝聞取材の「鉄の暴風」の出版により「集団自決」問題の火付け役を果たした沖縄タイムスまでもが昨日の夕刊は「集団自決」新証言については完全スルーである。

そして今朝の朝刊もネット記事に関する限り完全スルー。

「鉄の暴風」を出版した沖縄タイムスはある意味で当事者ではないのか。

今までの運動の根拠を根底から覆す新証言対策の為の会議、会議でで記事を書く暇がないのか。

「集団自決」を集団死と言うのか、集団自殺と表現するかは別にして、沖縄戦で多くの住民が集団で自らの命を絶ったことは事実であり、これについては議論の余地は無い。

戦後60年に渡って激しく論議されてきたことは、これが「軍の命令でなされたかどうか」の1点に尽きる。

「軍命令があった」と主張するグループは去年の時点で既に自分達の主張の論拠が崩れ出したことを察知していた。

先ず去年の6月5日、東京都内で「沖縄平和ネットワーク首都圏の会」を開催した。

『2005年6月6日(月)「しんぶん赤旗」によると、次のようなことに危機感を募らした。

沖縄戦の「集団自決強要」
教科書から削除狙う 「つくる会」副会長ら
体験者や作家ら集会で批判

「軍命令は無かった」ということが露見する事を予感するかのように60歳の元高校教師を証言者に引っ張り出して「・・・軍の直接の命令がなかったとしても、それまで軍の命令を伝えていた役場の職員などが命じれば住民は従う。強要であることにかわりはない」と苦しい予防線を張っていた。

その二週間後の6月19日(日)、今度は沖縄の那覇市で「集団自決」が教科書から消えるのを懸念する八つの「平和団体」が緊急集会を持った。

題して「『軍隊の支配する世界』~沖縄戦の『真実』にせまる~」

安仁屋政昭・沖国大名誉教授の「部隊長の直接命令がないから、軍命による『集団自決』はないとはいえない」という発言には、自分達が固執してきた論拠が一つずつ覆されていく焦りが感じとれる。

東京と沖縄で同じ時期に立続けに行われた「緊急集会」に左翼反日グループのあせりを感じる。

両集会で特徴的なのは、あれほど激しく主張してきた「軍命令の存在」にお得意の「広義解釈」を適用して「直接の軍命令の有無は関係ない」とすり替え理論に持ち込む地ならしをしている事。

 谷沢永一関西大学名誉教授が何かの本で言っていた。

現在の感覚を、過去にそのまま当てはめ、評価を下す史家は、常に歴史を過つ」

当時の村長、琉球政府職員等関係者が赤松大尉を説得して作った「歴史の捏造」を、現代の豊かな社会にひたった現代日本人の誰が咎めよう。

日本人は惻隠の情を尊ぶ。

政府も今更「捏造で支払った年金を払い戻せ」なんて野暮なことは言わないだろう。

ただ真実の解明こそ無くなった人たちへの一番の供養。

これ以上「鉄の暴風」、「沖縄ノート」に固執し続けたら、これら一握りのグループの面子を護るために沖縄県民全てが大嘘つきのそしりを受けかねない。

                    ◇

しかし照屋証言を認めてしまったら、反日左翼グループが死守してきた「住民を虐殺した残虐非道な日本軍」と「住民を助けた人道的アメリカ軍」という図式が一気に崩れ去ってしまう。

反日グループにとって「集団自決」はもはや真実解明の問題ではない

「集団自決」は残酷非道な日本軍を印象付けるイデオロギー塗(まみ)れのプロパガンダに変質した。

その意味で教科書からの削除は組織を挙げて阻止せねばならぬ。

そのためには「広義の解釈」か・・・。

しかしメディアが沈黙しようと「広義解釈」をしようとも、大江健三郎さんには一言コメントしてもらわなきゃなるまい。

一人の人間・赤松大尉を「人」、「人面獣」、「罪の巨魁と「沖縄ノート」で現在も糾弾し続けているのだから。                   
 
 

                      ◇
 
 
沖縄タイムス 2006年8月20日
 
「集団自決」書き換え懸念
揺らぐ教科書の沖縄戦記述/8団体がシンポ
 
 県内八つの平和団体が主催する緊急集会「『軍隊の支配する世界』~沖縄戦の『真実』にせまる~」が十九日、約百二十人を集めて那覇市で開かれた。旧日本軍による「集団自決強要」を否定し、教科書からの削除を主張する自由主義史観研究会の活動を憂慮して企画された。軍の統制下で発生した「集団自決」の背景に焦点をあてながら、沖縄戦の教訓を伝えていく教育の重要性などについて、熱心な発言が相次いだ。
 安仁屋政昭・沖国大名誉教授は講演で、「部隊長の直接命令がないから、軍命による『集団自決』はない」とする同会の主張に対し、沖縄戦の戦場が、民政の機能しない戒厳令に似た「合囲地境」だったと指摘した。

 「役場の幹部が『集団自決』に言及したとしても、住民が『軍命』と受け取るのが事実関係から適当。個々の命令の有無でなく、大局的にみる必要がある」として、軍政下の軍と住民の位置づけを強調した。

 琉球大教育学部の山口剛史講師は「沖縄戦で何を学ぶか」と題した報告で、「集団自決強要は虚構」と結論づける同会の模擬授業を例に、教育現場から反論するための視点を示した。

 会場発言では、沖縄戦の教訓の「ゆらぎ」や教育現場の問題点にまで視点を広げた。

 沖縄戦体験者が「皇民化教育で自ら進んで死ぬことを徹底された。教育の恐ろしさを痛感する」と述べると、小学校の教員は「自分よりも国を重視する教育が進んでいる。現場で上にものが言えない状態がつくられている」と戦前の教育との類似性を指摘した。

 「集団自決」の史実の書き換えの動きを「『沖縄戦の真実』という過去の問題ではなく、教育基本法の改正や教科書採択など現在の問題としてとらえるべきだ」との声や、有事を想定した国民保護計画を例に、「沖縄戦の『集団自決』などの教訓を住民保護最優先の立場から生かしていくべきだ」との意見もあった。

 集会は最後に、「集団自決強要」の削除を求める動きに抗議した上で、教科書や出版物に沖縄戦研究の成果を記述するよう求めることを決議。教科書採択への関心や沖縄戦の認識をさらに高めていくことを確認した。 (略)

     ◇     ◇     ◇     
参考サイト【沖縄・渡嘉敷島の集団自決】はhttp://shupla.w-jp.net/datas/Tokashiki.html


 
 

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