虎っ娘ランナーのランニング日誌

マラニックバッグにタイガースメガホンをさして国道2号線を西へひた走るランナーを見かけたら・・・、それは私です。

「命」

2006年12月13日 | 観劇
恒例の「今年の漢字」が「命」と決まり12月12日の漢字の日に京都、清水寺にて揮毫された。
くしくも、先週末「命」をテーマとした劇を見ている。

劇団PEOPLE PURPLEの「ORANGE」(於:新神戸オリエンタルホテル)

「いのち」の問題が取り沙汰されるようになった昨今、タイムリーな主題だと思いきや、この脚本は、劇団員の宇田学が阪神淡路大震災10年目の年に、書き下ろしたものであった。
命を守る消防士たちの物語。
オレンジとはレスキュー隊の制服の色のことを言う。

常に Love actually is all around. を念頭において脚本を書くという宇田。
今回の作品も、命と愛を主題に彼の信念が貫かれた仕上がりになっている。
筋書きは極めてオーソドックスな展開だが、そこに独特の深みを与えているのが、演出の妙と卓抜した演技力。

CGも特撮も駆使できない状況下の舞台空間。
大道具ワンセットだけで、地震や火災の現場とその救出場面を表現する演出の力技にまず脱帽する。
これは映画か?という錯覚に何度も陥った。
備品、制服の貸与など、神戸市消防局の全面的協力の成果も大きいのだろう。

そして、これ程の重いテーマに、吉本新喜劇風の笑いをふんだんに散りばめるのが、この劇団のもう一つの大きな魅力である。
鼻をすするシーンの後にすぐさま大爆笑シーンが登場させるなど、からくり箱のような展開に観客はぐいぐい引きずられていく。
相当な演技力がなければ成し得ない仕掛けだ。

観劇後。
「命を大切に」
聞き飽きたこのくさい言葉すら、素直に受け入れる自分がいた。

「命を懸けて命を守る」
その使命感を支えに激務に勤しむ消防隊員の方々に改めて敬意を表したい。


劇団キャラメルボックスの加藤氏が
「僕が好きと断言するもの。劇団ショーマ、東京サンシャインボーイズ、劇団☆新幹線、惑星ピスタチオ。
そして2006年、そこに、こいつらがランクインしてきた。これから観られる限り追いかけていこうと思う。」とのコメントを寄せている。

私も言わねば。
「私が好きと断言するもの。阪神タイガース、金本知憲、劇団四季、沖縄、ランニング。
そして2006年、こいつらがランクインしてきた。これから観られる限り追いかけていこう。」
あっちゃ~、忙しい体にまた一つインタレストが追加されてしまった。


せっかく神戸まで行ったのだからと、帰りに寄ったルミナリエ。

人工的な美しさには心を動かされない年齢になったことを痛感。
良い劇をみた感動だけが心にしっかりと残っている。