TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

にわか愛妻家

2001-09-08 06:40:32 | インポート
昼間、夫が職場から電話をかけてきた。

「今、弁当食べ終わったとこなんだけど、うまかったよ。俺は幸せだよ、
こうやって毎日うまい弁当持たせてもらって」

何だ、いきなり?
私は言った。
「何よ、何があったのよ?隠さないで言いなさい!」
急にやさしい言葉をかけるなんて、彼らしくない。絶対何かあるぞ。

夫はその時は口を割らなかったが、帰宅して白状した。
職場の部下が、奥さんから三行半をつきつけられたのだそうだ。

彼らは共働きで、妻の方が3週間の出張から帰ってきたばかり。
夫の方は妻の帰りを楽しみにして、一日休暇願いまで出していた。なのに、帰宅した
妻の口から出た言葉は、
「別れましょう。子供は私が引き取るわ」
だった。

何があったか知らないが、その部下は離婚手続きや遺言の書き換え、不動産売却など
のため弁護士と話をすすめている最中だとか。

やれやれ。
彼の職場の離婚話は、今年に入って3件目だ。まあ少ない年だが。
そして、そのたびに夫はほんの数日、にわか愛妻家になる。勝手な奴だ。
私はこういう機会を利用して、欲しいものを手に入れることにしている。

今回は丁度、春の球根類のカタログが届いたばかりなので、珍しいものをいろいろ
注文した。もちろん、夫のクレジットカードで。


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フィラリヤ予防薬

2001-09-06 09:59:22 | インポート
葉っぱが紅葉し始め、もうすっかり秋の気配になってしまったが、
あと一回くらいは必要かと思いフィラリヤ予防薬を飲ませた。

これが毎回一苦労。
なんでもぺロリと飲んでくれた子犬時代がなつかしい。
薬のあと毎回おなかがゆるくなるので、本犬もその関連性を疑っているのか
飲みたがらない。
大好物のチーズに混ぜたりして工夫するものの、犬もだんだん賢くなる。

先月は、TABIにしてやられた。
抵抗むなしく飲まされてしまい、しおれて部屋のすみで丸くなっているので、
やれやれと思ってると、しばらくして靴下の底に妙な感覚が。
手にとってみたら、唾液で周りが溶けた錠剤ではないか!

飲んだふりしてすましていて、こっちが気を抜いたスキにぺっと口から
吐き出したらしい。このお???高い薬なのに!

今回は、夫と力ずくで飲ませたあと目を離さず監視し、さらに遊びながら
チーズや煮干など好物をどんどん食べさせ、口の中のものは全部胃に流させて
しまった。全く、知恵比べである。


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アジリティ見学

2001-09-04 07:13:45 | インポート
ピクニックを兼ねて、アジリティ練習の見学に行って来た。

アジは以前からやってみたくて、いろいろな学校を調べて実際に見学もした。
だが、場所が遠すぎたり、練習場が教会の地下で犬の足腰に負担がかかりそう
だったり、やっといいクラスが見つかったと思ったらキャンセルになったりと
なかなかチャンスがなかった。

今回の学校は、かかりつけの獣医さんや犬仲間から評判を聞き、実際電話で
チーフトレーナーと話をした感覚で良さそうだと判断したところ。

場所は、いままで調べた中で最も遠い。高速をガンガン走って1時間かかる。
行きの車中で、夫は
「こんなド田舎くんだりまで犬のために通うなんて、俺はごめんだよ」
と文句たらたら。こりゃ駄目だな、と暗い気持ちになる。

きれいな湖を望む見渡す限りの草原のど真ん中に、その練習場はあった。
ふかふかの芝生の上に、アジ用練習場とフライボール用練習場。
雪で埋もれるまではここで練習し、冬は近くにある納屋に移るのだそうだ。
すでにたくさんの犬と飼い主が来ていて、練習している最中だった。

女性トレーナーがついてくれて、TABIもひととおりやらせてもらった。
シーソー、バージャンプ、輪くぐり、トンネルなど、私の想像どおりTABIは
ウキウキ楽しそうにやっている。普段も近くの小学校で、すべり台などで遊んで
いるから、アジの障害物を見ても恐がらない。

そして、驚いたことにあんなにやる気のなかった夫が夢中になってる。
だいたい彼は体育会系だから、こういうのが向いてると踏んでいたが、すっかり
飛雄馬をコーチする星一徹になりきっている。
「このバーは低すぎて練習にならないぞ。TABIなら高くても飛べるはず」
などと言ってバーを一番高く設定してしまい、それはやり過ぎ、とトレーナー
から注意される始末。

ともあれ、私たち二人と一匹はここが気に入った。
9月・10月は夫が長期出張続きだし、私も忙しいので参加できないが、
11月から仲間に入れてもらうことになるだろう。


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犬と楽しく暮らすために

2001-09-02 12:19:30 | インポート
先日、日本ジャック・ラッセル・テリア保存会の方から丁寧なメールをいただいた。

映画やテレビの影響で、日本でもJRT(ジャック・ラッセル・テリア)の人気
が上がっているという。愛らしい容姿と利発さ、活発さが魅力の犬で、私も
とても好きだ。
だが、JRTはvermin hunting、つまりキツネ・穴グマ・ネズミなど害獣を狩る
犬として繁殖されたもので、現在も故国では現役狩猟犬として活躍する、
バリバリの働き者である。飼い主の足元でおとなしくしている愛玩犬ではない。
そうした背景をよく知らずに飼ってしまい、犬も人間も共に不幸になっている
ケースが増えているという。

この会は、JRTに関する正しい情報を伝え、この犬種の特徴をよく理解した上で
飼い主と犬が共に楽しく暮らせるよう啓蒙活動を行っているそうだ。
<A HREF=http://www.jjrtf.com/>サイト</a>を拝見したが、JRTについての情報が豊富で
オンライン飼育判定などもあり、JRTを飼おうと思っている人や飼っている人に
必見の内容だ。

ここで会員に発行している会報誌に、うちのサイトの犬トレーニングに関する
記事を転載したい、というのがメールの内容であった。
私の拙文が、こんな立派な会の会報に載ると思うと恥ずかしい。
でも、読む人に少しでも参考になり何かの役に立つのならとてもうれしいし、
訓練学校で一生懸命学んだ甲斐があったというものだ。

早速、掲載記事の載った今月号をオンラインで送っていただいた。
私の記事の他にも、レスキューされたJRTのことなどいろいろ載っていて、
楽しく読ませていただいた。

ウェブサイトを管理していると、こんな思いがけない出会いがある。
なんだかウキウキして過ごした一日だった。


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老いの恐怖

2001-09-02 05:13:03 | インポート
「庭の木がね、盗まれるんですよ」
と、Z婦人が切り出した。

百合の花が満開できれいなので見に来ないか、と誘われて彼女のうちへ行った。
彼女が丹精こめた庭の花々は、夏の陽射しの中で甘い香りを放っていた。
ガゼボでお茶とお菓子をいただきながら、時々訪れる小鳥のさえずりを聞いた。

Z婦人は、70台半ば。白髪をきれいにセットして、とてもおしゃれな方だ。
彼女の夫は10年以上も前に亡くなり、子供たちも独立してよそに住んでいる。

彼女によると、ここ一、二年、朝起きると庭木が引っこ抜かれて消えていること
があるという。今年はさらに、草花も被害にあっているのだそうだ。
花盗人は警察に届けても駄目なので、泣き寝入りだ。
園芸をする人なら、一生懸命世話した花木が盗まれたらどんなにくやしいか、
よくわかるだろう。

しかし。
彼女の庭は、2mの塀で囲まれている。大きなスコップを持って、これをよじ登
って侵入し、大きな庭木を掘り起こし、かついで逃げる?家人に気づかれぬよう
音もたてずに?
彼女の庭は、10mX25mほどの狭さ。庭でドタバタしたら、彼女どころか
隣近所にも聞こえるはずだ。

「それにね、この頃は冷蔵庫の食べ物もなくなるんですよ」
と、彼女は続けた。

これは明らかに痴呆の症状だ。
被害妄想がひどい。

私が老いの恐怖を感じるのは、こんな老人に会ったときだ。
女性はよく、白髪や目じりの皺を見つけて老いを感じるというが、そんな外見
の変化など、心の変化に比べたら小さいものだ。

今後、彼女の痴呆は進む一方だろう。
そしてそれは、30年後、40年後の自分の姿かもしれないのだ。

去り際、またいらしてね、と手を振る彼女に、
「今度うちにもいらしてください。庭の花をおわけしますよ」
と約束した。それが少しでも慰めになるのなら、と思いながら。


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