Puppy injuries

パフォーマンス・ドッグの飼い主たちから学ぶことは多いが、今回も大事なこと。

数年来フライボール関係を中心に大流行の、タグ。
やる気のある犬を育てるには子犬のころからこれで遊べ、と有名トレーナーが
推奨する。タグそのものは犬が好きな遊びだが、やり方によっては柔らかい
子犬の体を痛めてしまう。

犬は、オモチャなどを口でくわえて激しく振り回して遊ぶ。
これは、野生ではつかまえた獲物を振ることにより絶命させる行動を模倣した
ものである。このときの力はかなり強く、一緒にタグで遊んでいると負けて
しまうこともあるほどだ。この際、犬は必ず、左右に振る。つまり、この左右
の振り方は犬にとって自然であり、それを可能にする体の構造になっている。

しかし人間が犬とタグで遊ぶと、どうしても上下に強く振る形になってしまう。
犬より背が高い人間にとって、その方がやりやすいからだ。この上下の動作は
柔らかい子犬の体にダメージとなりやすい。

犬同士がタオルなどで引っぱりっこで遊んでいる様子を見ると、両者とも前あし
を踏ん張ってぐっ、ぐっとリズミカルにタグを繰り返している。こうした動作も、
犬にとってごく自然である。私たちがそれを模倣するとしたら、犬の目線まで
体を低くして遊ぶ必要があるかもしれない。