俺は目標をクリアすることが好きなので、成果が目に見えるこのバイトは苦ではなかった。ただ、三人で組んでする作業なので、自分がどんなに速くやろうと、どこかの工程の人が遅ければ、滞ってしまう。俺は他の人のペースを見ながら、自分の仕事をすることを覚えた。その点、澤部さんと同じ組だと楽だった。彼女は淡々と穏やかな顔で、仕事をこなしていった。まわりのペースに合わせつつ、丁寧にそれなりのスピードで、球根を選別し、ネットに詰め、封をしていた。澤部さんとの仕事はやりやすかった。俺は澤部さんがどれくらいの年かわからなかった。笑うと目尻にシワが寄るので、そんなに若くはないとは思うのだが、白い丸顔の童顔のせいか、清々しい雰囲気のせいか、少女のように見える時もあった。俺も澤部さんも仕事の時は、口をきかなかったので、会話を交わす機会はあまりなかった。
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書き出しからどきどきわくわく、また自然と引き込まれてしまいます。
これからも楽しみにしています^^
ラブストーリーに仕上げたいと思いますが、どうなることやら。
また、遊びにきて下さい。