天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

地上三センチの浮遊

2014-03-08 20:22:10 | エッセイ
「井の中の蛙のひとりごと」

自分自身、臆病で閉じこもりがちの人間です。あまり必死に何かと闘うタイプではなく、広い世界に出て自分を高めるタイプでもありません。どちらかというと、逃げ出してしまいがちな人間です。
「自分に甘い。」
「もっと死ぬ気で頑張れ。」
と言われても仕方がないかもしれません。ですが、一寸の虫にも五分の魂。蛙には蛙なりの視点があります。生きていて、最近強く感じることがあります。
「今の世界は優しくない」
余裕がない。慈悲がない。とも言えるかもしれません。
「こうすべきだ。」
「それ以外の生き方は認められない」
「自分は頑張って頑張って必死に生きている。それなのに、のんべんだらりとしやがって‼」
そういう考え方に満ちているような気がします。「常識」てなんだろう。「正義」てなんだろう。そこを疑うことなく、外れてしまったらすべてアウトだ‼とバッサリ切り捨てる。そんな世界になってきているような気がします。正邪、黒白、善悪、はっきりしてるのがよしとされる世界。ある意味楽です。これでいいのだろうかという答えのない問いはありません。二者択一の選別ゲームになってきます。それは、効率よく次々と問題が解決していくように思われます。邪であり、黒であり、悪であるならば、切り捨てればいいのです。
「しないあなたが悪い。」
「できない組織が悪い。」
だから、自分でなんとかしろ。弱音をはくな。自分が悪いのだから、自業自得だ。そんな気分に世界が満たされているように感じます。剛腕で、はっきりしてて、クールな世界です。
でもなんだか、根本を見てないような気がするのです。そんなに非難ばかりするのはなぜなのか。(批判と非難は違います。批判には理性が入っていますが、非難には感情ばかりです。理論だてていても、非難であるならば、建設的なものではありません。)そんなに攻撃するのはなぜなのか。奥底にあるものをのぞかないと、世界はいいようには変わらないと思います。
すぐに効く特効薬や正義を体現するヒーローを望んでいる社会のような気がします。
それだけ疲弊し、不安と不満が渦巻く社会なのでしょう。
だからこそ、正義のヒーローを熱望したり、犯人探しに血道を上げてはならないのだと思います。
それに突き進んで、うまくいったためしはないことを自分自身、心に留めておきたいのです。
「さもありなん。」
という気持ちを持って、人を責めず自分のペースでえっちらおっちら少しずつでもましになりたい。
そう思うのは、愚者の甘えた考えなのでしょうか。