サーキュラースカート

ふわりふわり舞うスカート
女の子はくるくるまわる
踊る 踊り続ける

揺れるスカート
広がるスカート
優雅な軌跡を描く
愉快な気分をもたらす
スカートのダンス

女の子は疲れるか あきるか
それか
ママに叱られるまで
スカートとダンスをするでしょう

姫君

姫でいられるのは短い時間
その間は愛らしく
ひらひらと舞えばいい

姫でいられるのは限られた人
選ばれたのなら 心のまま
きらきらと楽しめばいい

その魔法ははかない
いつかはとける

その扉は残酷
誰にも開かれているわけではない

姫君でいることが幸せではない
姫君でいたことが幸せではない

姫ではないから劣るわけではない
姫ではなかったから魅力がないわけではない

姫に選ばれたのなら甘受すればいい
姫に選ばれなくても悲観しなくていい

それはあっという間に過去になる
それに囚われる者だけが
それの呪いにかかるのだ

手綱

どちらが握っているのかわからない
走るものか走らされるものなのか

どちらが上なのか下なのかわからない
命じるものか命じられるものなのか

コントロールしているつもりで
ふりまわされてはいないか

賢しげに指図しているようで
愚かな道をひた走ってはいないか

泥沼にはまっていることに気付かず
動いている者達を無能呼ばわりしてないか

手綱を持つことは栄光ではなく
ただの役割にしかすぎない

世界を測る

人は生れ落ちたその日から　
自分の物差しで世界を測る　

ある人は色で世界を測り　
ある人は赤ん坊の泣き声で世界を測る　

微笑みの数で世界を測る人がいれば　
憎しみの質で世界を測る人がいる　

口紅の減りで世界を測るかと思えば　
銃の売り上げで世界を測ることもある　

悲しみも愛しさも強さも弱さも　
怒りも憐れみも騙すのも騙されるのも　

戦車も靴下もピアノも鉛筆も　
やかんも人工衛星も針も糸も　

ゴキブリも蝶もクローバーも銀杏も　
鳩もコンドルも犬も猫も　

世界を測る道具となる　

わたしは言葉で世界を測る　

出っ張りもくぼみも丸みも角も　
果てしないものもかすかなものも　

測りきれない世界をわたしは言葉で測る　

あなたは世界を何で測るのだろう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ひかりの朝

しらしらとあける朝
すみずみまで光が満ちる
しんしんと冷える朝
さきざきまで体が震える

冷たい凛とした空気と
輝くまばゆい光は
混じりあい、重なりあって
あたらしい日々を
運んできた

静かにそれを受けとり
心の泉に優しく落とす

光と希望に満ちたそれを