夜は美しく、長い

日が沈む

空気が冷たい

晩秋の夕べ

闇が駆け足でやって来る

日中

わたしは抜け殻

闇が迫る頃

わたしはわたしになる

わたしは夜に香る

わたしの肌の白さは

夜の色で際立つ

わたしの髪の黒さは

夜の色と同じ

あなたとわたしは

夜に出会い

夜に泳ぐ

あなたはわたしと仲良くなる

夜に響く歓喜

それは

とても

密やかで静か

渦巻くような興奮も
泡立つような快楽も

夜のピリオドの中での

出来事

刹那で

泡沫

だからこそ

狂おしいほど

惹かれるのでしょう

あなたとわたしの逢瀬は

闇の海の底で

深く
深く

進行する

日の出までの間

あなたとわたしは
口づけを交わす

それは

限りなく

黄泉の国に近い

だからこそ

あなたとわたしの指は
絡み合う

果てがある恋は

無限の果実

甘くて

痛い

夜の果実