天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

夜は美しく、そして悲しい

2018-05-22 21:19:42 | 
思いが溢れる眠れぬ夜

静かだけれど

あまりにも

ゆっくり進む時計の針

寝床を抜け出し

窓を開ければ

夜空が見える

人が住む街に住むから

本能が恐れる漆黒ではない

そのかわり

輝く星屑も見えない

飼いならされた夜空

それでも

金色の三日月が

おっとりとぶら下がっている

灯りをつけることなく

夜空を見れば

胸が痛くて

涙がこぼれる

かたく閉じていた

悲しみのボトルの蓋が

緩んでしまった

そのボトルは

今の部屋の色と同じ

ミッドナイトブルー



偉くなんてなりたくない

2018-05-22 19:09:04 | 
偉くなんてなりたくない

自分の価値なんて

石ころぐらいしかありやしないのに

ダイヤモンドほどあるなんて

ふんぞり返って

そんなばか者にならないように

常に自分を戒める自信はない

偉くなんてなりたくない

自分が持っているものなんて

ゴミ屑以下のものなのに

絶対に手放さないと

後生大事に抱え込む

そんなばか者にならないように

常に自分を省みる自信はない

偉くなんてなりたくない

自分が指示するからといって

それは単に役割なのに

平気で人を踏みにじる

そんなばか者にならないように

常に自分を律する自信はない

自分が偉くなることはない

自分が責任を負うことになるだけだ

それを

履き違えてしまう

利口であっても
聡明でなければ

腐った波に飲み込まれる

偉くなんてなりたくない





ガーネット

2018-05-19 18:47:20 | 
深い深い赤のどこかで

君と手を繋いだんだ

それは

僕が三葉虫だった頃の記憶だろうか?

それでもいい

君がずっと記憶を抱えてくれていた

そんな奇跡を

僕はかみしめる

君は僕よりも前にあると言えば

君は怒る

僕をないがしろにするなと

君は怒る

違うんだ

君は僕を大切にしてくれる

それに報いたいだけ

君と僕は

恋と友情の間に立つ

恋よりも濃く

友情よりも優しい

静かでありながら脈打ち

風雨に耐えて磨かれた愛

君と僕は

離れ離れになったとしても

宇宙のどこかで
時空のどこかで

また

巡り会うことだろう

だって二人は

ガーネットの契りを

結んでいるのだから