天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

風が鳴る街

2015-07-17 13:18:24 | 
風が鳴る
雨が唸る

台風が通り過ぎる街
ゆっくりゆっくり
台風は横切っていく

木々がたわむ
傘がゆがむ

台風が突入する街
のしりのしり
台風は我が物顔でいる

動物である自分
小さな心臓の
脈打つ速さを感じている
それは怯えと高揚が混じった
不思議な鼓動

人間である自分
小さな部屋で
渦巻く風景を見つめている
それは安寧な場所に立った
他人事の視点

窓には大きな水滴
耳には激しい風音

吹きすさび
荒れくるう







ピーコック ラブ

2015-07-16 22:09:56 | 
キャッツアイ
サファイアに
マラカイト

目にも鮮やかな宝石

ジャスミンイエロー
ロイヤルブルーに
アクアグリーン

目にも和えかな色彩

恋の季節になれば

凛々しい孔雀の青年たちが

綺羅のごとく羽を広げる

麗しの姫君たちを

ライバルたちと奪い合う

選ばれる青年たちは着飾るだろう
選ぶ姫君たちは身軽なまま

姫君たちはくすくす笑い
青年たちを品定め

孔雀の恋の季節

青年たちは
必死になって
愛の歌を歌う

姫君たちは
本能のままに
遺伝子の糸をたぐる

選び選ばれ

勝者と敗者

ちょっぴり滑稽で

はからずも残酷な

ピーコック ラブ





















センチメンタル

2015-07-10 20:30:50 | 
「この世に神様はいないのかしら」

海のさざなみに耳をすます

そして

静かに涙をこぼす

それを

センチメンタルと嗤うだろうか

苦しくて

悲しくて

生き難くて

それでも

生きようともがくのだ

けれども

つらくて

痛くて

しゃがみこんでしまう

「この世に神様はいないのかしら」

夜のしじまに耳をすます

そして静かに涙をこぼす

それは

センチメンタルと蔑むだろうか

弱い蛙のひとりごと

また

明日も

生きのびることができますように