傷ついた鳥
羽から点々と
血を滴らせながら
うずくまっていた
羽ばたこうにも
痛くて
羽を広げることも
できずにいた
仲間たちともはぐれ
雪原の片隅で
血の花を咲かし
震えていた
抱き上げても
抗うこともできず
ただ
乾いた目を見開いていた
生命の蝋燭が
消えそうになっていた
けれど
鳥は
死の淵から蘇った
灰になる前に
自らを奮い起こした
羽の傷は
癒えていった
けれど
羽の傷は癒えても
心の傷は癒えない
鳥は恐怖と戦わなければ
ならなかった
羽ばたいても
羽ばたいても
脚を蹴り出すことができない
鳥は
頭を上げ
絶望の鳴き声をあげる
それでも
本能が飛びたいと
願うから
鳥は
羽ばたきをやめることは
できなかった
白い冬が過ぎ
桃の春が過ぎ
辺りが
翡翠色に染まる頃
鳥は
羽ばたきながら
羽ばたきながら
強く
脚を蹴り出した
低い滑走から
徐々に
徐々に
高みに昇る
鳥は
歓喜の鳴き声を残し
空高く
羽ばたいていった
羽から点々と
血を滴らせながら
うずくまっていた
羽ばたこうにも
痛くて
羽を広げることも
できずにいた
仲間たちともはぐれ
雪原の片隅で
血の花を咲かし
震えていた
抱き上げても
抗うこともできず
ただ
乾いた目を見開いていた
生命の蝋燭が
消えそうになっていた
けれど
鳥は
死の淵から蘇った
灰になる前に
自らを奮い起こした
羽の傷は
癒えていった
けれど
羽の傷は癒えても
心の傷は癒えない
鳥は恐怖と戦わなければ
ならなかった
羽ばたいても
羽ばたいても
脚を蹴り出すことができない
鳥は
頭を上げ
絶望の鳴き声をあげる
それでも
本能が飛びたいと
願うから
鳥は
羽ばたきをやめることは
できなかった
白い冬が過ぎ
桃の春が過ぎ
辺りが
翡翠色に染まる頃
鳥は
羽ばたきながら
羽ばたきながら
強く
脚を蹴り出した
低い滑走から
徐々に
徐々に
高みに昇る
鳥は
歓喜の鳴き声を残し
空高く
羽ばたいていった