公園に到着した。いつもの場所に車を止める。車から降りた途端、むわっとした空気に包まれた。夜半近くではあるが、そんなに外気の温度は下がっていないようだ。熱帯夜。私は深呼吸をした。甘い香りが鼻腔をくすぐる。私は甘い香りをたどって歩く。公園のすぐ近くに香りの源があった。夕顔。公園の近くにある畑に夕顔が群生していた。闇に咲くほのかな白い花。闇に溶ける濃い緑の葉。地面を這うようになっている大きな楕円の実。私は可憐な夕顔の花とそこからたちのぼる甘い香りを楽しんでから、公園に戻った。
人けのない小さな公園。まだ隆君は来ていなかった。私はブランコ前の手すりに腰をかける。中天にかかる月。美しい月夜。銀色の光がしらしらとこぼれている。
「月がとっても青いから、遠まわりして帰ろ…」
知らず知らずのうちに私は、古い古い歌を口ずさんでいた。明るいけれど、物寂しくなるメロディー。手すりをつかむ。夜空を見上げる。気持ちが波打つ。この一ヶ月のことをつらつら考える。遠まわりしすぎたかなと私は思った。もう潮時なのかもしれない。
隆君と会うのはやめよう。元々、ずるずる会うべきではないのだから。お互いのためにならない。やめるなら、早ければ早いほどいいだろう。そうだ、今日で会うのは最後にしよう。私は決めた。その決心は私の心臓を揺さぶった。私は気持ちを落ち着けるために、ゆっくりと息をはいた。あたりは静寂に包まれていた。
人けのない小さな公園。まだ隆君は来ていなかった。私はブランコ前の手すりに腰をかける。中天にかかる月。美しい月夜。銀色の光がしらしらとこぼれている。
「月がとっても青いから、遠まわりして帰ろ…」
知らず知らずのうちに私は、古い古い歌を口ずさんでいた。明るいけれど、物寂しくなるメロディー。手すりをつかむ。夜空を見上げる。気持ちが波打つ。この一ヶ月のことをつらつら考える。遠まわりしすぎたかなと私は思った。もう潮時なのかもしれない。
隆君と会うのはやめよう。元々、ずるずる会うべきではないのだから。お互いのためにならない。やめるなら、早ければ早いほどいいだろう。そうだ、今日で会うのは最後にしよう。私は決めた。その決心は私の心臓を揺さぶった。私は気持ちを落ち着けるために、ゆっくりと息をはいた。あたりは静寂に包まれていた。