天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

世界は不思議に満ちている

2014-02-23 18:07:58 | 
世界は不思議に満ちている
それに気付いたある晴れた日

青く広がる空を見上げる
はてのない空の向こうに
世界の不思議を感じる


何も知らないまま生まれ
何も知らないまま死ぬのだろうか

それとも

私が知ろうとしないまま
目をつぶり
耳をふさぎ
生きていたのだろうか

世界は不思議に満ちている
それに気付いたある黄昏時

薔薇色に彩られた空を見上げる
鮮やかに変わる空の美しさに
世界の不思議を感じる

何かを感じて生まれ
何かを感じたまま死ぬのだろうか

それとも
私がすぐに心が動き
右に揺れ
左に揺れ
定まらないのだろうか

世界は不思議に満ちている
それに気付いた春浅し日



もしも神さまがおわすなら

2014-02-20 17:19:35 | 
神さま
神さま

もしも神さまがおわすなら
どうかこの小さな声を聞きたまえ

たくさんの痛みをのりこえて
たくさんの悲しみに耐えてきて

それを見せることなく
それをひけらかすことなく

ただ
ただ
まっすぐに顔を上げ
前を向いて進む

けなげで
凛々しい
ものたちすべてに

光のご加護を
天の慈しみを

そのものたちは
それを求めてるわけではありません

ただ
ただ
目の前の険しい山を
目の前の深い海を
必死に登るだけ
必死に潜るだけ

だからこそ
そのものたちは届くかもしれません
光のかなたにあるものに
闇のむこうにあるものに

そして届いて欲しいと思うのです

神さま
神さま

もしも神さまがおわすなら
どうかこの小さな声を聞きたまえ

けなげで
凛々しい
ものたちすべてに

光のご加護を
天の慈しみを










言の葉

2014-02-20 12:53:31 | 
さわさわ
さわさわ
音がする

見上げれば
鈴なりに茂る
言の葉

まろやかなものも
とげとげしいものも
みずみずしいものも
ささくれたものも

いろんなかたちの
いろんないろの
言の葉があって

それは
人を温める
人を慰める
そして
光の中に連れていく

それは
人を壊す
人を貶める
そして
闇の中に突き落とす

私は
言の葉の木に
手を触れて

根っこの魂に
思いをはせる

意図せず傷つけ
意図して傷つけ

どちらも悲しい根っこの魂

意図せず抱きしめ
意図して抱きしめ

どちらも優しい根っこの魂



天にあるもの 地にあるもの

2014-02-18 21:22:47 | 
どんなに手を伸ばしても
どんなに必死に求めても
どんなに力を尽くしてみても
どんなに心をこめてみても

幸せな結末は訪れない時もある
悲しい結末が訪れてしまう時がある

翼をもぎとられたような痛みは
闇に突き落とされたような絶望は

積み重ねた思いのぶん
費やした努力のぶん

重く重くのしかかる
深く深くつきささる

人間には天の論理はわからない
人間には地の未来はわからない

天にあるもの
地にあるもの

そこに何かが在るのはわかるが
そこに何があるのかわからない

それでも

立ち上がろうとするのは
顔をあげようとするのは

天にあるもの
地にあるもの

そこに何かが在るのがわかるから
そこに何が在るのかわからないから

人間の愚かさはそこにあり
人間の賢さはそこにある

人間の醜さはそこにあり
人間の尊さはそこにある

天にあるもの
地にあるもの

人間にははかりしれぬが
人間は挑み続ける


神様ではないから

2014-02-16 22:29:29 | 
神様ではないから
裁きの天秤を持つことが
恐ろしいのです

それでも
持たざるを得ないならば

神様ではないということを
常に心に留めておくしかないのです

裁きの天秤は
大いなる力を持つのです
命運の鍵を握るのです

けれど

その力はわたくしにあるのではなく
裁きの天秤にあるのです

神様ではないから
分不相応のその天秤を持つことを

常に
恐れ
畏敬し
真摯に向き合い
誠実に振り返る

されど
怯えず
媚びず
いたずらに目をつぶらず
きちんと耳をすます

神様ではないから
それだけしかできないのです

それでも
それすらしないのであれば

裁きはただの暗黒になるのです
天秤はただの剣になるのです

神様ではないから
どんなに能力をふりしぼっても
正しく天秤で測れているとは限らない
そもそも
正しく天秤を使えているのかわからない

それでも

裁きの天秤を持たざるを得ない

それならば

神様ではないということを
常に心に留めておくしかないのです