メデューサは泣いていた
蛇の髪の毛を震わせ
見る者を石に変える目は
青銅の手で覆われ
メデューサは泣いていた
黄金のはねを持つ怪物
醜い顔を持つ怪物
メデューサは泣いていた
美しい少女だった私
美しい髪を持った私
ただあの人を愛しただけなのに
愛しあったことが
彼女の逆鱗に触れた
美しい少女だった私
美しい髪を持った私
ただ美しさに自惚れただけなのに
自慢したことが
彼女の逆鱗に触れた
恐ろしい
汚らわしい
化け物になった
メデューサは泣いた
己の不幸を嘆いた
幾星霜の時を超え
メデューサは泣かなくなった
一粒の涙さえこぼさない
目を大きく見開き
あらゆる者を石に変え
猛々しく吠え
あらゆる者を恫喝し
髪の蛇を逆立てて
あらゆる者を殺めていく
怪物である自分を
たった一人で受け止めた
メデューサは
ただ化け物らしく
振る舞っていた
もうメデューサに悲しみはない
もうメデューサに嘆きはない
もうメデューサに慈しみはない
もうメデューサに憐れみはない
牙を剥いて
戦うのみ
メデューサがかけた石の呪いは
メデューサの涙でとけると言う
でも
メデューサはもう涙を流さない
永遠に
メデューサの心に血が通うことはない
蛇の髪の毛を震わせ
見る者を石に変える目は
青銅の手で覆われ
メデューサは泣いていた
黄金のはねを持つ怪物
醜い顔を持つ怪物
メデューサは泣いていた
美しい少女だった私
美しい髪を持った私
ただあの人を愛しただけなのに
愛しあったことが
彼女の逆鱗に触れた
美しい少女だった私
美しい髪を持った私
ただ美しさに自惚れただけなのに
自慢したことが
彼女の逆鱗に触れた
恐ろしい
汚らわしい
化け物になった
メデューサは泣いた
己の不幸を嘆いた
幾星霜の時を超え
メデューサは泣かなくなった
一粒の涙さえこぼさない
目を大きく見開き
あらゆる者を石に変え
猛々しく吠え
あらゆる者を恫喝し
髪の蛇を逆立てて
あらゆる者を殺めていく
怪物である自分を
たった一人で受け止めた
メデューサは
ただ化け物らしく
振る舞っていた
もうメデューサに悲しみはない
もうメデューサに嘆きはない
もうメデューサに慈しみはない
もうメデューサに憐れみはない
牙を剥いて
戦うのみ
メデューサがかけた石の呪いは
メデューサの涙でとけると言う
でも
メデューサはもう涙を流さない
永遠に
メデューサの心に血が通うことはない