天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

地上三センチの浮遊

2013-11-28 21:04:49 | エッセイ
「晩秋初冬にお勧めアルバム二点」

寒くなってきました。こんな季節は家で湯たんぽと毛布にくるまって、音楽を聞いてのんびりするのもいいかもしれません。そんな時にお勧めしたいアルバムです。

『BITTER』
by MESHELL NDEG`EOCELLO
"ミッシェル ンデゲオチェロ"というアメリカの女性アーティストの作品。

ジャケットに惹かれて購入したアルバムです。うつむき横たわった女性(ミッシェル ンデゲオチェロ)がぼやけて写っています。

この写真と「BITTER」というタイトルでアルバムを表しています。
苦くて切ない。人を求め愛し、求めるものは手に入らない。それでも求める。うまく繋がることのできない悲しみ、繋がりを求める切望。ひたむきさとうまくいかない感覚に胸が痛くなります。

深く潜るような音楽。内省的になる音楽です。

ジャンルわけのできない音楽です。彼女の落ち着いたbitterな歌声も今の季節に似つかわしいと思います。

特に気に入っている曲を二曲。

『LOYALTY』

直訳すれば、『忠誠』
すべて捧げて愛する人に、忠誠(誠実や心からの優しさ)を求めるけれど、それは叶えられない。その切迫感や悲しみを感じる曲です。

『MAY THIS BE LOVE』

ジミ・ヘンドリックスのカバーだそうです。美しいアレンジ。美しい曲です。不思議な浮遊感があります。少し東洋的な感じがするのは、私だけでしょうか。


『Let It Come Down』by James Iha

これも決めてはジャケットです。ジャケットのJames Ihaに一目惚れしてしまいました。アコースティックな曲。優しくて柔らかな歌声。お気に入りの毛布にくるまっているような気分。何回も何回も繰り返し聞いたアルバムです。ラブにあふれたアルバム。恋ていいなと素直に思えます。人恋しい季節にぴったりです。

「BE STRONG NOW」
自分に自信のない女性を励ます曲。こんなふうに抱きしめられたら、こんなふうに言われたら、それだけで幸せになるような気がします。アルバムのオープニングナンバー。

「BEAUTY」
大好きなこのアルバムの中でも1番好きな曲。
“Do you see beauty, do you see love”
このワンフレーズを人生で感じる瞬間、それは紛れもなく光に満ちた瞬間だと思います。恋の多幸感にあふれた曲です。

両方とも90年代後半のアルバムです。二つとも、聞くたびに愛着が湧いてきます。飽きることのないアルバムたちです。