天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

漠然とした世界

2018-07-24 19:44:48 | 
世界は天国ではない
世界は地獄とも言い切れない
(かなり地獄に近いとしても!)

はっきりいって

苦しみも悩みも

曖昧模糊だから
生まれる

この世界はグレーの靄に
包まれて

何一つ

あきらかなものはない

だからこそ

人間は

はっきりとしたものに
憧れる

善か悪か
光か闇か
陽か陰か
男か女か

そんなくっきりした
二分法で
測れるものはないのだが

(なにか宇宙の法則はあるかもしれないが

人間にはわかりっこないのだ!)

あまりにも

苦しくて

よるべがなくて

怖くてたまらないから

人間は

この世界を

自分たちが

わかるように

切り刻もうとする

そして

切り取ったカケラの形が違うと

人間同士で諍いをおこす

強いものが
多数のものが

正しくて

弱いものが
少数のものが

間違い

そんな二分法で

世界を治めた顔をする

けれど

どこかが歪み
どこかが腐る

それを引き受けるのは

「間違い」の烙印を
おされた人間たち

血を吐き
地面を這っても

許されない

世界は漠然としたものなのに

「違う」というだけで

その矛盾を

引き受けなければ

ならないのだろうか?












地上三センチの浮遊

2018-07-24 18:46:24 | エッセイ
『水蜜桃』

実家から桃のおすそ分け。毎年この時期になると、岡山から桃を購入するのが、実家の恒例行事。なので、高級な桃のおこぼれをあずかることができます。

びわ、プラム、さくらんぼ、真ん中に種がある⁈果物が好みです。その中でも、桃は1番好きです。

愛らしい形と色。白桃を食べることが多いので、薄桃色が美しい。

甘い香りも、桃ならでは。その香りは、幸せな気持ちになります。徐々に熟して、甘酸っぱい香りが満ちてきます。

桃の味の上品な甘さと、柔らかな口当たりが大好きです。一個を、平気で1人で食べてしまいます。(高級な果物なので、お仲間がいれば、もちろん、わけっこします。美味しいものは、わけっこして、幸せもわけっこします。)

ただ、桃は足が速いので、食べごろが難しい。あっという間に、茶色ぽくなってしまうのです。

到来物の桃。食べごろはあっという間。食べるのもあっという間。

愛でる時間は、限られています。

食物連鎖

2018-07-22 17:23:22 | 
怯えた子リスは
泣くこともできず

鷲に攫われ

嘆きの母リスの
元には帰らない

とはいえ

鷲にしても

いたいけな小鷲たちの

ためではあるのだが

食物連鎖のサークル

残酷で
無慈悲ではあるのだが

それから抜け出すことは
かなわない

食物連鎖の頂点は

獅子だというか?
鷹だというか?

獅子でも

食べなければ死ぬ

鷹でも

毒にあたれば死ぬ

ミミズは

土壌の毒を浄化する

けれど

その毒は我が身に蓄え

自らが

強烈な毒となる

食物連鎖のサークルに

頂点はない

循環するのみ

蛇は鼠を丸呑みにするが

鼠が蛇のまわりにいなければ

蛇は餓死するしかない

甘い蜜がなければ

蝶は生きていけない

蝶がいなければ

蜘蛛は生きていけない

食物連鎖のサークルに

弱者も
強者も

存在しない

人間が当てはめた

弱肉強食の世界は

存在しない