天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

怒りはちゃんと使え

2019-01-29 18:03:19 | 
怒りはちゃんと使えばいい

怒りは罪ではない

怒りの奥にある感情に

目を向けろ

恐れ?

悲しみ?

寂しさ?

怒りは怒りのみで存在しない

そして

怒りを手ごろなものにぶつけるな

怒りの根本にある対象は

きっと

手の届かない

あるいは

手が届かないと思い込んでいる

ところにあるものだ

けれど

人間は

ズルくて

弱いから

怒りを

簡単に

ぶつけられる人に

ぶつける

怒りの元になる

感情やシステムを

見極めることができたなら

怒りはきっと役に立つ

怒りは

弱い者や

小さい者を

恫喝するための

道具ではない

怒りをちゃんと

使いこなすことができたなら

世界は

怒りに満ちることはないのだ

蜜月の夜

2019-01-29 17:58:08 | 
夜の長い季節がやってきた

深くしんとした夜空

星がくっきりと見える

長い夜は嫌いではない

夜の隙間にはまって

あなたと蜜月をすごせるから

わたしの白い髪は闇に消える
わたしの甘い声は闇に響く

こんなことを思い

月の光を浴びるわたしは

罪深いのだろうか

それでもいい

枯木の森を歩いていた
化石の中に埋もれていた

そんなわたしが

脈打つことができるのだから

わたしとあなたは

違う人間

別々の体を持つ

それでも

分かち難く
別れ難い

そんな気持ちがある限り

二人は逢瀬を続けるだろう

鈴が微かに鳴る

麝香が微かに香る

溶けるような

夜がはじまる

冬の夕暮れ

2019-01-29 17:49:11 | 
陽が落ちる

風が身にしみる

ニット帽を深くかぶる

マフラーをきつく巻いて

家路を急ぐよ

冬の夜空は澄んで

都会の空でさえ

静謐さをたたえる

冬のダイヤモンド

見上げれば

くしゃみがひとつ




センチメンタルムーン

2019-01-28 22:07:44 | 
きゅっと胸が掴まれる夜

あまりにも蒼い夢を見たせいだ

ひとりぼっちなんて気持ち

億光年の昔に置いてきたのだけれど

砂時計がさらさらという

光るベテルギウス

夜が永遠だと

思っていた

そんな

長い夜を

泳いでいたことを

思い出す

泣くことも

できなかった夜

月の小瓶に

涙さえ
入れることができなかった

月の砂漠は

どんなに
寂しいことだろう

長い長い影だけが映るなんて

片翼の月

見上げて

少しだけ

泣いた

殻でどれだけ武装する?

2019-01-22 15:37:16 | 
わたしの言葉とあいての言葉

わたしの言葉はあいてには伝わらない

あいての言葉はわたしには伝わらない

わたしはあいてを馬鹿だと思う

あいてはわたしを馬鹿だと思う

わたしは自分が正義だと思う

あいては自分が正義だと思う

こうなると着地点はない

お互いに耳を塞いで怒鳴りあう

どちらの力が強いだろう

力が強いものが弱いものを押さえつけ

思い通りにするのが世の常だけれど

まだ

力をよみきれないから

お互いに出方をうかがっている

身を守るために殻をまとい

すきあらば

その殻を武器にしようとする

厚い殻で覆われてしまえば

何も聞こえず
何も見えない

狭い「自分」に侵食される

殻の中から

腐臭が漂う

中身は…