天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

黒い瞳

2022-05-17 17:01:00 | 
もう嘘をつきたくない
まわりにも
じぶんにも

泥が靴の中に入り込む
歪な力関係が鞭を打つ

澄んだ瞳は
虚な瞳に
変貌する

地べたに転がる

無表情
無気力
無価値

どうしようもなく見えるだろうか?

絶望
よりも酷い
虚無

黒い瞳には
何もうつらない






光の向こうへ

2022-02-25 19:00:00 | 

茫漠とした世界

広大な世界


道標はない

というよりも

道とは何か?

答えすらわからない


たくさんの声

たくさんの手

たくさんの目


「だから言ったじゃん」

後出しジャンケンの戯言


「ラクするなんて許さない

 ズルするなんて許さない」

羨望と絶望の足の引っ張り合い


「無能だ

 無能だ

 コスパ

 コスパ」

喚くアジテーター


自分を苛むな

所詮は

ハヤリの思想

それに

あわないだけさ


情報だけが

隕石のように降り注ぐ

まともに受け止めるな

まじめに受け止めて

血まみれになる必要はない


上も

下も

なく


ただ

おのれであるか

おのれでないか

だけ


わけがわからなくなって

立ちすくむ

自分を蔑むな


所詮は

サカシゲな空虚


ヒトは

どんなに

頭のいいふりをしたって

宇宙の理のカケラすら

知りはしない

それを悲しむことはない

そういうものだから


ただ


光の向こうへ

その

希求の思いだけ

それだけ

持っていよう


紫に近い濃紺

2021-11-08 18:15:00 | 
涼しげな風
明日からは寒くなるという
晩秋の夕べ

空は
日の名残を溶かした
夜の色

光は
濃紺の空に
紫のひとはけを
加えている

雲は
暗く浮かび上がり
秋のかたちをとっている

三日月が
蜂蜜のように溶けて

ひとつの星が
三日月に
寄り添うように
まどろむ







嘆き

2021-10-18 17:15:00 | 
「老兵は去れ」
よいが
我は霞を食っては生きていけぬ
「役にたたぬなら去れ」
よいが
我は通りいっぺんの駄馬だ

ということは
「おまえは野ざらしのまま往ね」

…世間はあまりにも無情だ

ラブじゃないけどやっぱりラブ

2021-10-08 17:29:00 | 

ひとりぼっちで泣いてる

泣いてもいいんだ

弱音吐いたって

へこんだって

けど

ひとりぼっちじゃ

簡単に

詰んでしまう


だからさ


僕を呼んで

ぎゅっとハグして

僕の毛皮を涙で濡らしていいんだ


おにいさんも

おねえさんも

じょうちゃんも

ぼっちゃんも

おばあちゃまも

おじいちゃまも


僕を呼んで


となりにいるよ

よしよしするよ


僕は僕でしかない

君は君であるように


乗り越えるのもあり

立ち向かうのもあり

けど

逃げるのもあり

立ち止まるのもあり

なんだ



誰かの言葉は

結局

誰かの言葉

君の言葉じゃないんだ


だからさ


辛くて

悲しくて

苦しくて


どうしようもなくなったら


僕を呼んで


僕は何もできないけれど


ハグするよ

手を繋ぐよ

言葉を聞くよ


ただそれだけだけど





inspiredby スピッツ 「子グマ!子グマ!」