天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

地上三センチの浮遊

2015-02-05 19:50:29 | エッセイ
「喜びということ」

寒い寒い日々が続きます。暖かい日があっても、すぐに寒い日に逆戻り。灰色の空が続くのは、憂鬱なことです。

ずっとずっと冬が続くような気がして、嫌になってしまいます。毎日毎日縮こまって過ごすのはうんざりしてしまいます。

穏やかな暖かい日は、それだけでうれしくなります。けれど、灰色の寒さが続くと、私はその暖かさを忘れてしまいます。冬が去って欲しいとそればかりを思ってしまいます。暖かった日なんて、なかったことになってしまいます。不満顔でふてくされてしまうのです。

永遠なる冬はありません。日はじょじょに伸びています。暖かい日はじょじょに増えていくでしょう。立ち枯れた草の合間に、葉の落ちた木々の間に、ひっそり緑の息吹が隠れています。それに気付くことはまれなのです。うつむき、とぼとぼ歩いているのですから。

喜びを感じる心は、冬の中に潜む春を感じる心と同じような気がします。疲れて苦しみに溺れている時に、喜びを見出すのは難しいことです。そして、そんな時に「喜び」を見つけようとすると余計につらくなる場合があります。(心が片寄っているので、喜びを見つけなければ!と義務になってしまうのです。)そういう時は喜びを探す必要はないと思います。ただ喜びは存在するということだけ心に留めておけばいいのです。世界のどこかには喜びはあるのです。そして、いつか喜びを感じる自分に出会うことができるのです。そう思うことが「希望」になるのです。

痛みや苦しみから抜け出した時に感じる喜びは、厳しい冬から煌めく春になるときめきに似ています。体が心が、ときはなたれて、自由に飛びたつことでしょう。それは、とても幸せなことだと思うのです。