天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

ミモザ色の恋

2018-04-18 20:39:45 | 
黄色のふわふわあげるよ

仲良しのあの子が

くれた甘いキャンディ

頭に載せた花冠は

あの子が作ってくれた

私はミモザの玉座につく

キューピッドは

簡単に

恋の矢を射る

射抜かれたハートは

紅く染まって

とくんと脈打つ

手をつないで

キンポウゲの丘を

走り抜けていたのに

そんな無邪気なことも

もう

できない

仲良しのあの子が

特別なあの人になった

黄色のふわふわあげるよ

笑ったあの子を想って

少し泣いた午後











大人であるということ

2018-04-15 20:57:22 | 
大人であるということ

自分の頭で考えるということ

そして

人の言葉を鵜呑みにしないということ

けれど

自分の考えの限界を知り

人の思いを汲み取ることが出来るということ

何十年も

「自分」をやっていれば

「自分」がわかった気になるが

過大すぎたり過少すぎたり

歪な鏡で

「自分」を見ても

歪んだ自分が
入れ子のように見えるだけ

大人であるということは

正確に

「自分」を捉えるのは難しい

ということを

淡々と
把握すること

大人であるということは

厳しく
寂しく

そして

誇りが持てる

ということです








風の強い春のある日

2018-04-07 18:28:09 | 
海風が強い

髪が乱れる

トレンチコートのベルトを
きりりと閉める

桜の花びらは
地面に落ちて
風になぶられて
吹きだまる

葉桜になる季節

春の女神は

ちょっとだけ
意地悪をする

優しい日差し
暖かな陽だまり

それに

慣れて

胸もとをあければ

いきなりの

冷たい風

海の街で

光のプリズムだった世界が

一転

濁った泡立ちが渦巻く

テラスで

アクアブルーの

スカッシュを飲むつもりだったのに

春の乾杯はお預け

けれど

もう季節は後戻りはしない

だから

柔らかな春の空色を見ながら

今季最後の

ホットココアを飲むだろう










春のドロップ

2018-04-02 20:29:05 | 
カラカラ
カンカン

春の詰まったドロップ缶

口に含む

薄荷はすーすー

レースのようなユキヤナギ

あわあわした桜霞

心がふわふわすると

眠くなる

木蓮の女王さま

みっしりと咲いて

みっしりと散る

ライラックは

甘やかな香り

初めての恋を思い出す

愛らしい黄色の点々

仲良くなった友達と

ミモザを見るよ

シロツメグサは

花輪の冠

栞にするのは

四つ葉のクローバー

カラカラ
カンカン

春の詰まったドロップ缶