天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

けむけむ

2015-03-28 20:42:30 | 
けむけむ
けむけむ

三寒四温な冬と春の結び目で
風邪をひく

けむけむ
けむけむ

五里霧中な鼻と喉のとげとげで
咳をする

喉が痛いから
だいこんあめをひとさじなめよう

体が寒いから
シナモンティーをいっぱいのもう

外はうららか
カルガモは巣づくり

外はあたたか
ウグイスが鳴く

だのに
だのに

くしゅくしゅ
くしゅくしゅ

涙目になって
くしゃみする

つまんない
つまんない

けむけむ
けむけむ

風邪をひく




chocolate kiss

2015-03-16 19:26:41 | 
チョコレートの口づけ

なんて魅惑的

甘くて苦くて

脳の奥底がスパークする
胸の奥底がジャンプする

本能が喉を鳴らす
理性が目をつむる

もっと
もっと

欲しくて
食べたくて

きゅんきゅんと
心が踊るわ

とろけて
スパイシー

蠱惑の坩堝
誘惑の魔法

キスして
ハグして

それでも

足りない

チョコレートの口づけ








水の恋

2015-03-16 18:14:34 | 
私は落ちた
ふわりと落ちた
澄んだ泉に
どこまでも透明な
私は光の粒になる

恋の泉は
清らに
きららかに
私を洗う

私は磨かれる
私はさんざめく

私は銀の雫になる
私は水の泡になる

溶けて
混ざって
恋の泉そのものになる

私は沈んだ
ぽとりと沈んだ
煌めく泉に
どこまでも輝く
私は光の粒になる


地上三センチの浮遊

2015-03-14 20:08:04 | エッセイ
「会うは別れの始め」

春はこの言葉が身に染みる季節です。人との出会いと別れは、人知を超えるものです。

年を経れば経るほど思うのは、人との縁は不思議なものであるということです。自分を鏡のように写すものでもあり、過去の課題を突きつけるものであり、未来の行く末を占うものでもあります。ただそれがわかるのは、全てが行き過ぎ、自分の気持ちが整理できた後です。俯瞰で見てはじめて「そうだったのか!」と気付くのです。渦中にいる時は、笑ったり泣いたり、愛したり憎んだり、悲喜こもごもなので、そんな余裕はないのです。自分に関わる人々との関係をきちんととらえることができたなら、うまく相手とつきあうことができるのでしょう。ただそれができるのは、神様か仏様だけではないでしょうか。わけがわからず振り回せされたり、わけもわからず振り回したり。右往左往するのが、人間らしい身の処し方かもしれません。そこが人間の愚かさであり、かわいらしさでもあるような気がします。

私はとても不器用な人間で、人づきあいがうまくありません。だから、むやみに広げることはありません。けれど、関わる人には敬意を持ちたいと思っています。それでも、どこかほどほどに。尊大な態度を取らず、卑下もしない。大きくも小さくも見せない。それが大事なことではないかなと思うのです。

去る者は追わず来る者は拒まず。出会いと別れの輪舞曲は死ぬまで続くのでしょう。願わくば、それを受け入れることができたらよいのですが。


春の宵闇

2015-03-14 18:56:42 | 
雨が上がった春の宵
身を切る寒さは小休止

夜空に
飛行機がライトを明滅させ
とんでいる

海に
ブリッジがライトを煌めかせ
かかっている

星は
申し訳程度の光をはなち

月は
顔を見せることもない

それでも

春の宵は
ほろほろと歩きたくなる

おっとりとほほ笑む
玲瓏たる美女のように

春の宵は
なまめかしく闇に誘う