天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

半分眠る

2020-04-28 18:42:00 | 
うつらうつら
春のトロトロな光に
溶かされて

いまは
やることなすこと
いましめの時期

柔らかな光に
包まれて

眠りについている間に

この

出口のない戦いが
終わってないかしら

なんて

都合のいいことを
考えてしまう

人任せの戦いでは
ないから

当事者の自分として
何ができるかな

社会を回してる
尊い人々に

感謝して

邪魔しないで

穴倉で
春の光を
糧にして

半分眠っていましょうか

耳はちゃんとたてていて


アナザーワールド

2020-04-26 17:24:00 | 
簡単に手に入るなぐさめ
安易に繋がるたのしみ

私はとってもとっても疲れてる
私はすっごくすっごく病んでいる

だから

誰か私のこころを受けとめて
誰か私のからだを抱きしめて

だけど

私が楽になったなら
「誰か」がいらなくなったなら

こっそりこっそり去っていって
ひっそりひっそり消えていって

気がついたらいない感じで
いつの間にかいない感じで

後腐れはないように
優しい記憶はあるように
後ろめたさはないように
甘い切なさはあるように

簡単に手に入るなぐさめ
安易に繋がるたのしみ







ある日晴れた日

2020-04-24 17:51:00 | 
季節外れの扇風機
出しっぱなしのキャミソール
ブーツとサンダルが
仲良く並ぶ玄関
コンビニ弁当の空容器
空っぽのペットボトル
髪の毛の詰まった排水口

忙しいから
忙しいけど

ある日
晴れた日

カーテンを開けて
うんざりした

温かな湯たんぽ
大好きな赤いニット

黒いローファーは
ピカピカに磨き

汚れたトイレは
掃除した

甘いシナモンケーキを焼き

いい匂いのミルクティーを入れた

差し込む光
翻る風
伸ばす手足

そういうこと
ありがちなこと


※ 季節外れの詩

だいぶ前に書いたものです。

天秤の真ん中に立てたなら

2020-04-24 08:35:00 | 
暗く
悲しく
この世は地獄だ

明るく
喜ばしく
この世は極楽だ

悲観的でもなく
楽観的でもなく

(人は悲観に傾きがちだ
 楽観は痛みを紛らわす
モルヒネに過ぎない!)

何にも
目を曇らせることなく

宇宙の理に
目を向けることができたなら

天秤の真ん中に
立つことができたなら

何の羅針盤もなく
怯えながら

広大な海原を
漂流することも

ないだろうに



水先案内人

2020-04-23 12:23:00 | 
水先案内人

見晴るかす海原

船首に腰をかけ

目をこらすのはあなた

あなたは

この船を港にたどり着けるよう

手助けをする女神

舵をきるのは

この船の持ち主

あなたは

それがわかっていて

水先案内人を

買って出た

それは

わたくしの使命だと

顔を上げて

微笑んだ

長い海路

どんな嵐も
どんな凪も

あなたは

逃げることなく

船首に立ち続ける

舵が切られる限り

優しい強さ
強い優しさ

はるかかなたる

目的地を目指す

あなたと船