話は周建国の直後にまで遡ります。
魯は姫姓、周公の子伯禽の封ぜられし所なり。周公、成王に誨(おし)うるに、王過ち有らば則ち伯禽を撻(むちう)つ。伯禽、封に就(つ)く。公之を戒めて曰く、我は文王の子、武王の弟にして、今王の叔父なり。然れども我一沐に三たび髪を握り、一飯に三たび哺(ほ)を吐き、起って以て士を待つも、猶天下の賢人を失わんことを恐る。子、魯に之(ゆ)かば、慎んで国を以て人に驕る無かれ、と。
魯は姫姓(周と同じ)で、周公の子の伯禽が封ぜられた所である。周公は成王を教え導くのに、成王に過ちがあったときでも伯禽をむちうって暗に成王を諌めた。伯禽が封ぜられた地に赴くときに周公が言うことには、自分は文王の子、武王の弟で、今上の成王の叔父である。けれども(自分に会いに来る者があれば)髪を洗う間も髪を握ったままにして会い、また食事中にも何度も口の中の食物を吐き出して起って面会の士に対応した。それでもなお賢人を登用しきらないかと心配している。お前が魯に行ったら一国の君だからと、民に驕りたかぶっては、いけないと。
沐 髪を洗うこと
賢者を求める事を後に「吐哺握髪 哺を吐き髪を握る」と言うようになった。
魯は姫姓、周公の子伯禽の封ぜられし所なり。周公、成王に誨(おし)うるに、王過ち有らば則ち伯禽を撻(むちう)つ。伯禽、封に就(つ)く。公之を戒めて曰く、我は文王の子、武王の弟にして、今王の叔父なり。然れども我一沐に三たび髪を握り、一飯に三たび哺(ほ)を吐き、起って以て士を待つも、猶天下の賢人を失わんことを恐る。子、魯に之(ゆ)かば、慎んで国を以て人に驕る無かれ、と。
魯は姫姓(周と同じ)で、周公の子の伯禽が封ぜられた所である。周公は成王を教え導くのに、成王に過ちがあったときでも伯禽をむちうって暗に成王を諌めた。伯禽が封ぜられた地に赴くときに周公が言うことには、自分は文王の子、武王の弟で、今上の成王の叔父である。けれども(自分に会いに来る者があれば)髪を洗う間も髪を握ったままにして会い、また食事中にも何度も口の中の食物を吐き出して起って面会の士に対応した。それでもなお賢人を登用しきらないかと心配している。お前が魯に行ったら一国の君だからと、民に驕りたかぶっては、いけないと。
沐 髪を洗うこと
賢者を求める事を後に「吐哺握髪 哺を吐き髪を握る」と言うようになった。