太子遹非賈后所生。后廢殺之。征西大將軍趙王倫、矯詔勒兵入宮、廢后殺之、殺張華・裴頠。倫爲相國。淮南王允、率兵討倫、不克死。倫殺衞尉石崇。崇有愛妾緑珠。倫嬖人孫秀求之。不與。秀誣崇、奉允爲亂。収之。崇曰、奴輩利吾財耳。収者曰、知財爲禍、何不早散之。遂被殺。倫自加九錫、逼帝禪位。黨與皆爲卿相、奴卒亦加爵位。毎朝會、貂蝉盈坐。時人語曰、貂不足、狗尾續。齊王冏鎭許昌、成都王頴鎭鄴、河王顒、鎭關中。各擧兵討倫。倫伏誅。
太子遹(いつ) 賈后の生む所に非らず。后、廃して之を殺す。征西大将軍趙王倫(りん)、詔を矯(いつわ)り、兵を勒(ろく)して宮に入り、后を廃して之を殺し、張華・裴頠(はいき)を殺す。倫、相国と為る。淮南王允いん)、兵を率いて倫を討つ。克たずして死す。倫、衞尉石崇(せきすう)を殺す。崇に愛妾緑珠あり。倫の嬖人(へいじん)孫秀、之を求む。与えず。秀、崇を誣(し)う、「允を奉じて乱をなさんとす」と。之を収(とら)う。崇曰く、「奴輩、吾が財を利するのみ」と。収うる者曰く、「財の禍たるを知らば、何ぞ早く之を散ぜざる」と。遂に殺さる。倫、自ら九錫を加え、帝に逼(せま)って位を禅(ゆず)らしむ。党与(とうよ)皆卿相(けいしょう)と為り、奴卒(どそつ)も亦爵位を加う。朝会(ちょうかい)する毎に、貂蝉(ちょうせん)坐に盈(み)つ。時人(じじん)語して曰く、「貂足らず、狗尾(こうび)続(つ)ぐ」と。斉王冏(けい)、許昌に鎮(ちん)し、成都王頴(えい) 鄴(ぎょう)に鎮し、河間王顒(ぎょう)、関中に鎮す。各々兵を挙げて倫を討つ。倫、誅に伏す。
衞尉 九卿の一、宮城防衛を司った。 嬖人 気に入りの家来。 誣う 誣告、事実を偽って、告訴する。 吾が財 愛妾緑珠のこと。 貂蝉 てんの尾と蝉の翅で飾った冠、高位高官。
解説文は年が改まってからとさせてください。今年一年辛抱強くご覧いただきましてありがとうございました。
皆様よいお年をお迎えください。
太子遹(いつ) 賈后の生む所に非らず。后、廃して之を殺す。征西大将軍趙王倫(りん)、詔を矯(いつわ)り、兵を勒(ろく)して宮に入り、后を廃して之を殺し、張華・裴頠(はいき)を殺す。倫、相国と為る。淮南王允いん)、兵を率いて倫を討つ。克たずして死す。倫、衞尉石崇(せきすう)を殺す。崇に愛妾緑珠あり。倫の嬖人(へいじん)孫秀、之を求む。与えず。秀、崇を誣(し)う、「允を奉じて乱をなさんとす」と。之を収(とら)う。崇曰く、「奴輩、吾が財を利するのみ」と。収うる者曰く、「財の禍たるを知らば、何ぞ早く之を散ぜざる」と。遂に殺さる。倫、自ら九錫を加え、帝に逼(せま)って位を禅(ゆず)らしむ。党与(とうよ)皆卿相(けいしょう)と為り、奴卒(どそつ)も亦爵位を加う。朝会(ちょうかい)する毎に、貂蝉(ちょうせん)坐に盈(み)つ。時人(じじん)語して曰く、「貂足らず、狗尾(こうび)続(つ)ぐ」と。斉王冏(けい)、許昌に鎮(ちん)し、成都王頴(えい) 鄴(ぎょう)に鎮し、河間王顒(ぎょう)、関中に鎮す。各々兵を挙げて倫を討つ。倫、誅に伏す。
衞尉 九卿の一、宮城防衛を司った。 嬖人 気に入りの家来。 誣う 誣告、事実を偽って、告訴する。 吾が財 愛妾緑珠のこと。 貂蝉 てんの尾と蝉の翅で飾った冠、高位高官。
解説文は年が改まってからとさせてください。今年一年辛抱強くご覧いただきましてありがとうございました。
皆様よいお年をお迎えください。