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寡黙堂ひとりごと

詩吟と漢詩・漢文が趣味です。火曜日と木曜日が詩吟の日です花も酒も好きな無口な男です。

十八史略 番外偏

2013-04-30 11:31:00 | 詩吟

武元衡の詩       全唐詩より
嘉陵駅       
悠々たる風旆(ふうはい)山川を遶(めぐ)り   山駅空濛として雨煙と作(な)る
路は嘉陵に半ばにして頭(こうべ)すでに白し   蜀州西のかた更に青天に上らん


次に劉禹錫の詩二編を序文付きで      吟剣詩舞道漢詩集より
元和十年郎州より召されて京に至り戯れに花を看るの君子に贈る

紫陌紅塵面を払って来る   人の花を看て回(かえ)ると道(い)わざるは無し
玄都観裏桃千樹   尽く是れ劉郎去って後栽(う)う

再び玄都観に遊ぶ
余、貞元二十一年(805年)屯田員外郎と為る。時に此の観に未だ花有らず。是の歳出でて連州に牧たり。尋(つ)いで朗州司馬に貶せらる。居ること十年召されて京師に至るに人々皆言う「道士仙桃を手植する者有り。満観紅霞の如し」と。遂に前編あり、以って一時の事を志す。旋(たちま)ち又出でて牧たり。今十有四年にして復た主客郎中と為り、重ねて玄都に遊ぶ。蕩然として復た一樹無し。唯兎葵燕麦、春風に動揺するのみ。因って再び二十字を題し以って後遊を俟(ま)つ。時に太和二年(828年)三月也。

百畝(ほ)の庭中半ばは是れ苔   桃花落ち尽くして菜花開く
桃を種(う)うるの道士何れの処にか帰せる   前後の劉郎今独り来る


牧 州の長官。 玄都観 道教寺院の名。 司馬 州の刺史(ちじ)の次官

石川忠久先生の講演

2012-03-27 17:25:01 | 詩吟
一昨日、宇都宮で少壮吟士のチャリチィーが行われ、中澤春誠師も出演されたが、残念ながら所用のため行くことができなかった。用事を切り上げて神田の学士会館で行われた二十一世紀詩歌朗詠懇談会の講演を聴いて来た。講師はおなじみの石川忠久先生で「中国の四季」と題して間に吟詠を挟んでの講義であった。(春を謳う)では、陶潜の「四時」李白の「春夜洛城に笛を聞く」杜甫の「春望」を(夏に処す)で高駢の「山亭夏日」、楊万里の「夏夜涼を追う」(秋に憶う)で李白の「静夜思」と「峨眉山月の歌」杜牧の「紫微花」と「山行」白居易の「菊花」を、(冬に対す)では高適の「除夜の作」陸游の「降雪」柳宗元の「江雪」を作者から、字句の解説、中国語の読みまで懇切丁寧に尚且つ、ユーモアを交えて、NHKラジオで聞いていたあの語り口で講演をしてくださった。たいそう意義深い時間を過ごさせていただきました。誘ってくださった三浦喨泉さんに感謝。

張三李四

2011-11-24 11:18:55 | 詩吟
張三李四 朝三暮四に似ていますが、張さんとこの三番目と李さんちの四番目という意味で、落語の八つぁん熊さんのようなもの。三、四は排行(はいこう)と言います。漢和辞典によれば一族中、祖父、父、兄弟、子の各世代ごとに某一(大)、某二などと呼んだり、二字名のうち一字を共通にしたり、一字名のときは字の偏や冠を共通にして同一世代であることを示すこと。輩行 とあります。
王維作「元二の安西に使するを送る」はゲンジと読んでいますが、違和感を覚えるのは私だけでしょうか、ジとニの読みの違いは漢音と呉音の違いです。因みに数詞を列挙してみると

  一  二 六  七  八  九   十   大  衣 百   元

漢 イツ ジ リク シツ ハツ キュウ シュウ タイ イ ハク  ゲン

呉 イチ ニ ロク シチ ハチ ク   ジュウ ダイ エ ヒャク ガン

三、四、五は共通です。ご覧のようにわが国では数に関しては呉音が多く使われています。それが違和感のもとになっているのでしょうか。ところが漢和辞典によれば、ゲンジと読みがついています。同じように中唐の詩人元稹の排行は元九(ゲンキュウ)と読みます。姓の元が漢音なので数字も漢音にならったのでしょうか。
 ところで吟剣詩舞十月号の記事に衲衣の読みについてノウイの読みが広辞苑には無いからノウエにすべきでは、とのことですが、角川新字源にはこうあります。衲衣ノウイ①僧衣②僧。ノウエは出ていません。これも仏教の世界では漢音以前の呉音が守り伝えられてきたということではないでしょうか。必ずしもノウエにしないといけないとは考えにくいと思います。

城西地区ことぶき吟詠剣詩舞のつどい開催

2010-06-18 16:57:08 | 詩吟
突然ですが明日6月19日、野方区民ホールに於いて城西地区ことぶき吟剣詩舞の集いが開催されます。中野・新宿・練馬・杉並各区連盟から70歳以上の人たちが集って、日ごろの修練の成果を披露するわけです。御前10時より午後4時ごろまで漢詩、和歌の吟詠から、剣舞、詩舞の熱演まで見ごたえのある舞台が続きます。
ちかごろ下火になりましたが、ともすれば誤解を招きかねない芸人の詩吟と称する悪ふざけとは全く違う、魂の叫びをどうぞお聞きになってください。もちろん無料です。

忘年会 顛末

2007-12-14 12:01:30 | 詩吟
曙橋A3出口から続く急坂を外苑東通りに出て防衛省正門の真向かいにその居酒屋
大八はあった。ぐるっと見渡した隅の席から瀬川さんが手を挙げて迎えてくれた、
楽しみにしていた中村さんは今日アメリカに飛び発ったとのこと中澤先生はまだ来ていない。とりあえずの生ビールで乾杯。周りのテーブルではこれも忘年会とおぼしきグループが鍋を囲んでいるうーんいい匂い。二杯目が運ばれてすぐに先生が到着。もう一人この店のオーナーのお母さんが実は詩吟の仲間で都合4人で改めて乾杯となる。ワインを2杯空けたところでお開きに、先生から詩吟集のCDを戴いて
帰る。