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寡黙堂ひとりごと

詩吟と漢詩・漢文が趣味です。火曜日と木曜日が詩吟の日です花も酒も好きな無口な男です。

戦国武将の漢詩 新納忠元

2008-07-30 18:38:23 | Weblog
 過日静嘉堂に行った折、新納忠元の太刀を見たが、鬼武蔵と異名をとるほど剛勇
で尚且つ和歌、漢詩を嗜んだ人で薩摩島津家の庶流の武将と解った。にいろただもとと読む。時代は下がるが、さむらいニッポンで しんのう鶴千代苦笑い と歌っていたが、歌い手が間違えたと伝えられている。 その新納忠元の詩を図書館で見つけて来た。

 述 懐
今朝二十七春風
吹いて旧叢に入って花復紅なり
豈三分割拠の略なからんや
英雄顧みず草盧の中

諸葛孔明になぞらえて自身の策を用いられず訪ねてくる英雄もいないと嘆く、脾肉の嘆である。二十七歳の作。ちなみに劉備元徳が諸葛孔明の草盧を訪れたのも、孔明二十七歳の時のこと。


 

直江兼続 漢詩追録

2008-07-29 20:40:59 | Weblog
 26日土曜日門前仲町の寒光寺に用事で出かけました。いつもの昼食場所、うなぎの大和田が休業 仕方なしに近所を物色していたら、いい店を見付けました。夜は焼酎をのませる店でおごじょ屋とのぼりがでていました。あさりの釜飯とうな丼を食べましたが、美味しかったです。  さて文殊堂百首のもうひとつ 暁鐘ですが難解なので白文のみ掲載します。

支枕幽斎夢不成 疎鐘報暁太多情
豊山霜白一声裏 月落烏啼三五更

起句がどうしても読めないのです
もう一つ制作年がわかりませんが人日をどうぞ。

人日江城更幾回 園林春至興多哉  人日江城更に幾回ぞ 園林春至りて興多き哉
料知次第東風好 二十四番纔過梅  料り知る次第に東風の好ましきを
                 二十四番わずかに梅を過ぐ。
二十四番 一年のこと



直江兼続の漢詩 追録

2008-07-28 18:12:43 | Weblog
 訳詩のむつかしさからとりあげていなかった詩を幾編かお目にかけます。文殊堂
百首の中の一首で題詠です。

 松 雪
孤松吹雪倚岩檐 一夜枝頭白髪添  孤松雪を吹いて岩檐に倚る、一夜枝頭に白髪
睡起朝来開箔見 灞橋詩思在蒼髯  添う。睡起朝来箔を開いて見れば、 灞橋の                 詩思蒼髯に在り

倚よ(る) 檐えん 箔すだれ 灞橋詩思・・詩興を浮べるにはそれなりの場所が要ること?よく解らん

ところで金曜日真昼の炎天下西武新宿線の花小金井からとほほの徒歩で芝久保町に
行って来ました。なんと麦藁帽子の欲しかったことよ。

直江兼続の漢詩その3

2008-07-24 14:46:15 | Weblog
 今日の真夜中地震で目を覚まされました。青森県、岩手県、宮城県の皆さんさぞ驚かれたことでしょう。怪我をされた方にはお見舞い申し上げます。ではつづきを

山家
磐石羅を垂らして世塵を避く 山中の旧宅独り身を容る
白雲深き処行く人少に    峭壁攢峯四隣を蓋う
  (峭壁攢峯 切り立った崖と折り重なった峯)

大岩に蔦がからまって行くてをさえぎる、山深い我が家を訪れる人もまれ・・

洛中の作
独り他郷に在って旧遊を憶う 琴非らず瑟非らず自ずから風流なり
団々影は落つ湖辺の月    天上人間一様の秋

京に在って昔のことを憶う 今は離れ離れになって逢うことも適わないけれどそれもまた良し、心穏やかに都の月を眺めている。天も地も人もなにもかもが秋の気にみちみちている。

直江兼続の漢詩その3

2008-07-23 10:42:48 | Weblog
 昨日初めて蝉の声を聞きました。夕食を終えて近所の喫茶店へ、会員の桂木さんからナレーションの原稿について提案が2つ。である調から、ですます調に変えたほうが良い。はなし言葉にすると聴衆に理解できない部分がかなりあるとの指摘が
ありました。早速手直しをすることに。   では文殊堂の続きを

 螢簾に入る
凉螢竹影を度って横斜す   忽ち疎簾に入って夜色加わる
応に是れ客星の帝座を侵す  丹良一点窓紗に映ず
  客星の・・流れ星が星座を横切る様子  丹良 蛍のこと
蛍が竹の影をすっと横切る。まばらな簾に入ってくれば急に夜が深まったようだ
あたかも彗星が星座を侵すように一点の光がほの白い窓に映し出されている。

菊花
菊は秋日に逢うて露香奇なり 白々紅々華枝に満つ
好し西施が旧脂粉を把って  淡粧濃抹東籬に上さん

さわやかな秋の陽に白菊と紅菊が露にぬれて香りたつ。かの絶世の美女西施のように淡く濃く装ってまがきからすっくとたちあがる。
後半二句は蘇軾の詩をふまえる。


 逢う恋
風花雪月情に関せず     邂逅し相逢うて此の生を慰む
私語して今宵別れて事無し  共に河誓また山盟を修す

この自然の風光も情愛の前では色あせて見えてしまう、はからずも出会ったふたり
せめてこの時を精一杯慈しむ。別れの朝を迎えても、ともに山河に誓い合った仲は
ゆるぎもしない。                  つづく