簡子、尹鐸(いんたく)をして晉陽を為(おさ)めしむ。請うて曰く、以て繭糸(けんし)を為さんか、以て保障を為さんか、と。簡子曰く、保障なるかな、と。尹鐸、其の戸数を損す。
簡子、無恤に謂って曰く、晉國、難有らば、必ず晉陽を以て帰と為せ、と。簡子卒し無恤立つ。是を襄子と為す。
知伯、地を韓・魏に求む。皆之を与う。趙に求む。与えず。韓・魏の甲を率いて、以て趙を攻む。襄子出でて晉陽に走る。三家囲んで之に灌(そそ)ぐ。城浸さざる者三板なり。沈竃(そう)、鼃(あ)を産すれども、民に叛意無し。襄子陰(ひそか)に韓と約し、共に知伯を敗り、知伯を滅ぼして其の地を分つ。襄子、知伯の頭(こうべ)に漆して、以て飲器と為す。
繭糸 繭から糸を引き出すように、たえず租税を取り立てること。 保障 ささえ防ぐこと、間垣で家を守るように仁政を施すこと。 戸数を損す 戸数を減らして租税を軽くした。 帰と為せ 身の拠り所とせよ 甲 兵に同じ。 三板 六尺、一板は二尺。 沈竃、鼃を産す 水に浸かったかまどから蛙が産まれる
簡子、無恤に謂って曰く、晉國、難有らば、必ず晉陽を以て帰と為せ、と。簡子卒し無恤立つ。是を襄子と為す。
知伯、地を韓・魏に求む。皆之を与う。趙に求む。与えず。韓・魏の甲を率いて、以て趙を攻む。襄子出でて晉陽に走る。三家囲んで之に灌(そそ)ぐ。城浸さざる者三板なり。沈竃(そう)、鼃(あ)を産すれども、民に叛意無し。襄子陰(ひそか)に韓と約し、共に知伯を敗り、知伯を滅ぼして其の地を分つ。襄子、知伯の頭(こうべ)に漆して、以て飲器と為す。
繭糸 繭から糸を引き出すように、たえず租税を取り立てること。 保障 ささえ防ぐこと、間垣で家を守るように仁政を施すこと。 戸数を損す 戸数を減らして租税を軽くした。 帰と為せ 身の拠り所とせよ 甲 兵に同じ。 三板 六尺、一板は二尺。 沈竃、鼃を産す 水に浸かったかまどから蛙が産まれる