毎有大禮、旦輒以首相奉天書以行。常悒悒不樂。欲去則上遇之厚。乃薨于位、遺令削髪披緇以斂。議者謂、旦得君而不能以正自終。或比之馮道云。張詠嘗言、吾榜中得人最多。謹重有望。無如李文、深沉才、鎭服天下、無如王公、面折廷爭、素有風采、無如冦公。當方面之寄、則詠不敢辭。
大礼有る毎に旦、輒(すなわち)首相なるを以って天書を奉じて以って行く。常に悒悒(ゆうゆう)として楽しまず。去らんと欲すれば則ち上(しょう)之を遇すること厚し。位に薨(こう)ずるに及んで、遺令すらく「髪を削り緇(し)を披(き)せて以って斂(れん)せよ」と。議者謂う「旦、君を得たれども、正を以って自ら終る能わざりき」と。或いは之を馮道に比すと云う。張詠嘗て言う「吾が榜中人を得ること最も多し。謹重にして徳望有るは、李文靖に如(し)くは無く、深沉(しんちん)才徳有って、天下を鎮(しづ)め服するは、王公に如くは無く、面折廷争して、素(もと)より風采あるは、冦公に如くは無し。方面の寄に当っては、則ち詠、敢て辞せず」と。
大礼、 重大な儀式。 首相 宰相の首席。 天書 王欽若が偽って天より降ったとした紙。 悒悒 憂うるさま。 薨 貴人の死。緇 墨染の衣。斂 納棺。 議者 評論家。 馮道 後唐・後晋・後漢・後周の各朝で宰相となったが節操が無いと評された。 榜 進士及第者の掲示板。 深沉 深沈。 寄 寄託。
国家の重大な儀式のある毎に、王旦は宰相の首席であるということで天書なるものを奉じなければならず、いつも憂欝で官職を辞めようと思うと、帝が益々王旦を厚遇した。宰相の座にあるままに死を迎え遺言して「髪を剃って墨染めを着せて葬るように」と命じた。ある評論家は「王旦は君主の信任を得たけれど、正道を主張して自らを全うすることができなかった」と言った。また或る人は王旦を馮道になぞらえた。張詠が嘗て「私と同期の進士及第者の中には立派な人物が多いが、謹厳重厚で徳が高く人望のある点で李文靖に及ぶ者は無く、沈着で才能と人徳があり、天下を鎮め服すことができるのは王旦に及ぶ者は無い。君主の面前で過ちを糾し朝廷でも堂々と諌め争うことができる点で冦準に及ぶ者は居ない。もし、一方面を鎮撫せよとの寄託を受けたなら、自分とて敢て辞退はしない。
大礼有る毎に旦、輒(すなわち)首相なるを以って天書を奉じて以って行く。常に悒悒(ゆうゆう)として楽しまず。去らんと欲すれば則ち上(しょう)之を遇すること厚し。位に薨(こう)ずるに及んで、遺令すらく「髪を削り緇(し)を披(き)せて以って斂(れん)せよ」と。議者謂う「旦、君を得たれども、正を以って自ら終る能わざりき」と。或いは之を馮道に比すと云う。張詠嘗て言う「吾が榜中人を得ること最も多し。謹重にして徳望有るは、李文靖に如(し)くは無く、深沉(しんちん)才徳有って、天下を鎮(しづ)め服するは、王公に如くは無く、面折廷争して、素(もと)より風采あるは、冦公に如くは無し。方面の寄に当っては、則ち詠、敢て辞せず」と。
大礼、 重大な儀式。 首相 宰相の首席。 天書 王欽若が偽って天より降ったとした紙。 悒悒 憂うるさま。 薨 貴人の死。緇 墨染の衣。斂 納棺。 議者 評論家。 馮道 後唐・後晋・後漢・後周の各朝で宰相となったが節操が無いと評された。 榜 進士及第者の掲示板。 深沉 深沈。 寄 寄託。
国家の重大な儀式のある毎に、王旦は宰相の首席であるということで天書なるものを奉じなければならず、いつも憂欝で官職を辞めようと思うと、帝が益々王旦を厚遇した。宰相の座にあるままに死を迎え遺言して「髪を剃って墨染めを着せて葬るように」と命じた。ある評論家は「王旦は君主の信任を得たけれど、正道を主張して自らを全うすることができなかった」と言った。また或る人は王旦を馮道になぞらえた。張詠が嘗て「私と同期の進士及第者の中には立派な人物が多いが、謹厳重厚で徳が高く人望のある点で李文靖に及ぶ者は無く、沈着で才能と人徳があり、天下を鎮め服すことができるのは王旦に及ぶ者は無い。君主の面前で過ちを糾し朝廷でも堂々と諌め争うことができる点で冦準に及ぶ者は居ない。もし、一方面を鎮撫せよとの寄託を受けたなら、自分とて敢て辞退はしない。
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