光市母子殺害判決の要旨です。
裁判長が2時間朗読したかなり長いものです。
通して読んだ感想は、弁護団の見解のひとつひとつ対して丁寧な判断を下していることがわかります。
弁護団の完敗です。
その前に本村洋さんの手記(平成19年版 犯罪被害者白書)もご一読下さい。
山口県の有権者も本村さんのような人が衆議院補選に立候補してくれていたら、悩まずに済んだでしょう。
以下は一部抜粋。
裁判長が2時間朗読したかなり長いものです。
通して読んだ感想は、弁護団の見解のひとつひとつ対して丁寧な判断を下していることがわかります。
弁護団の完敗です。
その前に本村洋さんの手記(平成19年版 犯罪被害者白書)もご一読下さい。
山口県の有権者も本村さんのような人が衆議院補選に立候補してくれていたら、悩まずに済んだでしょう。
以下は一部抜粋。
私は遺族ですので、犯罪により直接身体に危害を加えられたわけではありません。また、加害者と対峙し死の恐怖を体験したわけでもありません。
ですから、理不尽に人生を絶たれた妻と娘の苦しみや怒り、無念さに比べれば、私の悲しみなど取るに足らないはずだと思っています。しかし、そう思って頑張って生きようとしましたが、事件発生から1年くらいは本当に辛い日々でした。
特に、山口地裁で刑事裁判が始まった直後は辛かったです。法廷で加害者を見るからです。犯罪被害者の辛いところは、加害者が存在することなのかもしれません。当時の私は、裁判のことを考えると仕事が手につかなくなりました。私は会社へ辞表を提出しました。
また、平成12年3月の山口地裁判決の前日には、遺書も書きました。死刑判決が出なければ命を持って、抗議しようと思ったからです。今になって思えば愚かな行為だと思いますが、当時は真剣に悩んだ結果でした。
当時、私は山口県に一人で住んでいました。同県に親族は住んでいませんでした。そんな私が辞表や遺書を綴り人生を踏み外しそうになった時に私を支えて下さったのは、会社の上司や先輩の方々、そして同僚と友人でした。現在でも私は事件当時と同じ職場で、充実した仕事をさせていただいています。会社は、事件後の私にも責任ある仕事を任せていただき、サポートして下さいました。
本当に良い会社へ就職でき、素晴らしい上司や先輩の方々、そして同僚に恵まれたと思います。
今でも忘れられないのが、辞表を提出した時に上司が私に授けてくれた言葉です。
「この職場で働くのが嫌なのであれば、辞めてもいい。ただ、君は社会人たりなさい。君は特別な経験をした。社会へ対して訴えたいこともあるだろう。でも、労働も納税もしない人間がいくら社会へ訴えても、それは負け犬の遠吠えだ。だから君は社会人たりなさい。」
私は、この言葉に何度助けられたことでしょう。今になって思えば、私は仕事を通じ社会に関わることで、自尊心が回復し社会人としての自覚も芽生え、その自負心から少しずつ被害から回復できてきたと思います。
もし、会社という媒体で社会との繋がりがなく一人孤立していたら、今の私は居なかったと思います。私は、周りの方々に本当に恵まれたと思います。
しかし、犯罪被害者の中には、相談できる人もなく、孤立し、一人で重荷を抱えている方が大勢いると思います。そのような状況に置かれている方を想像するだけで、私は言葉を失います。
犯罪という愚かな行為で、命を奪ったり、生きる気力を失わせるほどの身体的、精神的な苦痛を与えるのも人であれば、犯罪という閉塞された暗闇から被害者を救うことができるのも、また人です。
【光市母子殺害判決の要旨(1)】「被告人が、自己のした行為をどのように考えているのかが重要」
【光市母子殺害判決の要旨(2)】「初対面で真実を話すのは不自然」
【光市母子殺害判決の要旨(3)】弥生さん殺害「弁護側鑑定は採用できない」
【光市母子殺害判決の要旨(4)】弥生さん殺害「供述経過は不自然であり、信用することはできない」
【光市母子殺害判決の要旨(5)】強姦「『復活の儀式』ではない」
【光市母子殺害判決の要旨(6)】「性体験のない者が強姦に及ぶことはあり得る」
【光市母子殺害判決の要旨(7)】夕夏ちゃん殺害「被害児を床にたたきつけたことは動かし難い事実」
【光市母子殺害判決の要旨(8)】量刑「冷酷、残虐にして非人間的な所業である」
【光市母子殺害判決の要旨(9)完】「極刑はやむを得ないというほかない」