まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

賀茂川の水濁る日は悲し

2018年07月06日 | 日記

梅雨らしいなかなかいい日でした。
かなり蒸し暑かったけれど
降りしきる小雨に街がしっぽりと濡れそぼって
風情たっぷりでしたねえ。
あれ、もう梅雨は明けたんでしたっけ?

そんなノーテンキなことを言っているのは東京だけで
関西方面は大変な騒ぎだったようです。
活発な前線の影響で近畿各地は大雨に見舞われ
地震があったぱかりの大阪や
兵庫県や京都府で15万人に避難勧告が出たそうです。
仕事中はテレビもラジオもありませんから
家に帰って夕方のニュース見て初めて
思わず「ホンマかいな!」と素っ頓狂な声を上げました。

京都の賀茂川が濁流に覆われていました。
増水を通り越して氾濫寸前です。
京都市民のいこいの場である河川敷の散歩道も
すべて濁流にのみこまれています。
デート中の恋人たちも行き場を失って困っているに違いありません。
これはおそらく四条大橋からの映像でしょうか。
京都の夏の風物詩である名物の「床」も登場していますが
その橋脚部分にまで水が迫っています。
ニュースのアナウンサーは
平安時代から氾濫を繰り返して来た賀茂川などと
もっともらしい解説をしていますが
そんな大昔のことは知らん!
私にとって京都はまさに「青春の街」だけに
ショックと言うか言葉もなく映像に見入ってしまいました。
見ながら大江満男の詩を思い出しました。

  おもふほど おもふほどに ふるさとは雨と嵐
  山峡の水も くるふて流れあふれる 豪雨の日。
  天のはげしきを おもふほど おもふほどに
  ふるさとの雨の降る日は美(かな)し
  四万十川の水にごる日はかなし    (四万十詩集「日本海流」より)

 

大江満男は高知出身のプロレタリア詩人ですが
プロレタリアートの私にとって
京都の賀茂川は「ふるさとの川」のようなものです。